僕には転職経験がない。
それが今のキャリアの中でコンプレックスの場合もある。
実際の事業を行うことや組織を構築していく中で
一つの会社しか知らない限界を感じることが稀にあるのだ。

本を読んだり、研修に参加したりと
学ぶ場はあるが実務経験がないのは何事にも代えがたい。
それが理由でコンプレックスを感じたりしていた。

昨今は
「名大社一筋29年。気づいた時には社長になってました。ガハハッ~」
と開き直って自己紹介してるからいいけど。

しかし、キャリアを教える身としては片手落ちなのは否定できない。
そんな意味では来週からスタートするキャリアの授業を
ニシダと組んで行うのはバランスが良いともいえるだろう。
僕とは対照的なキャリアだから・・・(笑)。

このままいけば僕は名大社しか知らずに仕事人生を終える可能性が高い。
リタイアした後には自分で何かを興そうと企んではいるが、
多分、転職活動をすることはないだろう。
実際はせざるを得なかったりして(笑)。

では、今さら、なぜ本書を読むのか?
答えは単純。
若手勉強会で選ばれた一冊だから・・・。

一般企業の勉強会でこんな書籍を選んできたら、間違いなく不届き者扱い。
名大社だから許される。
密かに転職を考えながら堂々と持ち込んだりして・・・(笑)。

本書を読んで感じるのはそれでも歓迎すべきということ。
転職を全く考えていなくても参考になることは多い。
むしろ考えていない者の方が学ぶべき点は多いかもしれない。

それは転職を勧めているわけではない。
どうしても一つの組織に収まることは井の中の蛙に陥りやすい。
会社内での競争意識であったり、
自社の業績が自分の成績と連動したりと外向きになりにくい。

本書でいうマーケット・バリューが分かりにくいのだ。
特に会社の低迷期を知らない若手にはある種の地べたを這いずり回る苦労がない。
もちろん苦労も努力もしているのは認めている。
しかし、ギリギリのところをせめぎ合ってきた経験はないはず。

そんな経験が必要なのか?
と問われれば答えに窮する面はあるが、
今後の自分のマーケット・バリューを考えると必要であるかも・・・。

本書では池井戸潤氏の描く世界のようなスタイルでその思考法を教えていく。
それはとても吸収しやすい。
重要なポイントを巻末の数ページでまとめているので、
それさえ理解すれば十分という話は一方にはあるけど・・・。

さて、この課題図書の勉強会ではどんな展開になるのか。
まあまあ楽しみである。