この9月でリーマンショックから10年。
月日の経過は早い。
今週、日経新聞でもその特集を組んでいる。
このリーマンショックが我々の業界に与えたマイナスの影響は大きい。
しかし、見方を変えれば、このリーマンショックがなければ、
僕がこうしてブログを書いていることはなかった。
名大社の社長にもなっていなかっただろうし、
今、どこで何をしているかも分からなかっただろう。
その時期、個人的にも会社的にもどん底だった。
いい機会だと思い、その当時の日記を読み返してみた。
2008年9月。
この時期は僕は組織から外れ一人営業として黙々と仕事をしていた。
厳密に言えば、モチベーションは下がっており、
会社を辞めようと考えていた。
人材紹介会社に顔を出したのが、リーマンショックの数日前。
会社の業績が日ごとに落ち込む姿を見ているうちに転職活動は止めてしまったが、
もしリーマンショックがなければ今は別の会社で働いている可能性が高い。
会社の業績が落ちる共に退職者も続出し、
自分が辞めるのはいかにも無責任と感じたのだった。
それから一年程は壮絶な日々だったが、
今思い返せばその時の判断は間違っていなかった。
その1年半後、僕は会社の代表になった。
今、こうして会社の代表としていられるのはその当時に経験があったからこそ。
そう思うとリーマンショックには感謝せねばならない。
ただ同じようなことが起きて欲しいかといえば、そうではない。
もうあのような経験はこりごり。
誰もが避けて通りたいはず。
だが、日経新聞の記事を読んでいるとその危うさも感じる。
元グッドウィル・グループ社長で現ブロードキャピタル・パートナーズ代表の折口氏は
日経トップリーダーの講演でこのようなことを言われていた。
「アメリカはリーマンショックからいち早く立ち直った。
日本はその立ち直りに時間が掛かりすぎている。」
そのようなことを言われていた。
それはアメリカに力があり、日本は力不足と受け取れるが、
それは果たして悪いことなのだろうか。
経済通でもない僕はよくわからないが、
あまりにも傷の治りが早いと傷の痛さを忘れてしまうとも思う。
そうならないでほしい。
ただ時代は繰り返すという。
確かリーマンは100年に一度の大不況といわれていた。
その言葉を信じれば、まだずっと先のことだが、
最近の世の中の動きをみると過去なんてあてにならない。
僕自身もリーマン当時のことを忘れかけている。
それだけは忘れてはならない。
あれから10年経って、急にそんなことを感じてしまった。