「日日是好日」の意味を改めて調べてみると
「毎日毎日が素晴らしいという意味で、そこから、毎日が良い日となるよう努めるべきだ」
というのがその解釈らしい。
映画はまさにその解釈に則した作品といえるだろう。
あくまでも鑑賞後だが、そんな感想を持った。
本作は昨日の朝一の上映で鑑賞。
ということは公開初日、一回目の上映となる。
ミッドランドスクエアシネマは結構賑わってはいたが、圧倒的に白髪の方が中心。
それも上品な女性が多かったように思える。
お茶を嗜む方なのか、原作のファンの方なのかはわからないが、
そんな雰囲気が劇場内を包み、それが映画とうまく融合していた。
僕が観たのは先日逝去された樹木希林さんの遺作というのがその理由。
そう思って、調べてみたらどうやら違って、来年公開される作品らしい(笑)。
それはそれとして本作も樹木さんの魅力はふんだんに醸し出られていた。
しかし、主役は黒木華さん。
正直いって彼女をとびきりの美人だと思ったことはない。
失礼な言い方だが、どこにでもいそうな女性。
名大社で普通に働いてもおかしくはない。
だが、彼女の日常を映画を通して観察していくと次第に魅了されていく。
ほんわかした表情の中にも微妙な喜怒哀楽を表現している。
それが四季折々の風景と相まって茶道の凛とした世界へと誘う。
日本映画の魅力って、こういったわびさびにあるのだろう。
と気取って語ってみる(笑)。
とても小さな作品である。
大きな夢や野望を抱いて活躍するわけでもなく、
誰もが憧れる大恋愛が待っているわけでもない。
誰にでもある日常に近い。
しかし、それが一本のステキな映画になってしまうから不思議だ。
それも温かい笑いとほんのりとしたせつなさを残しながら・・・。
映画を通して感じたのはお茶の世界の深さ。
季節によって作法も異なる。
全く知らない世界。
習い事を始めるのに年齢は関係ないという。
だらしなさが身に付いた体にカツを入れるためにも
お茶を習ってもいいかもしれない。
60歳を越えたらだけどね・・・。
鶴見辰吾さんの静かな父親役もよかった。
シアワセになれる映画でした。