定期購読している日経トップリーダー。
これには毎月、CDがセットされている。
そのCDを僕は運転する車の中で常に聞くようにしている。
1回だけでは頭に入らないので何度も何度も聴く。
それでも忘れてしまう頭の構造はいかがと思うが(汗)、少しでも自分の中に落とし込んいく。

先月号は株式会社コメ兵の石原社長の講演が収録されていた。
懇意にしてる方がこういった場で活躍されているのは素直に誇らしいし喜ばしい。
そして、何より刺激となる。
自分ももっと頑張らねばとポジティブな気持ちにさせてくれる。
一年の締めとしては良かった。

2019年1月号は「2019年の中小企業経営」として、北方編集長と編集委員の田村賢司氏の対談。
自分にとっては身が引き締まるような内容だった。
ここでは2018年末に話題となったRAIZAPグループ社長の瀬戸氏と
日産自動車元会長のカルロスゴーン氏を中心にトップとしての資質について語られていた。
企業規模もその成り立ちも異なる2人だがトップとして失くしてはならない点を指摘していた。

RAIZAPグループについては昨年の赤字転落の顛末について、詳細を知ることになった。
M&Aを繰り返し業務を拡大し成長してきたRAIZAPグループだが、
その実態は上手く会計処理をしたもの。
負ののれん代を利益として計上することで、
見た目の営業利益は確保できていたわけだが、実際はご覧の通り。
負ののれん代という言葉にイマイチピンときてなかったが、この対談で腹落ちした。

瀬戸氏と松本氏でこれから巻き返しを図ることを期待しながらも、
トップとして不足する点を田村氏はバッサリと斬っていた。
瀬戸氏はコア事業であるRAIZAPに関しては現場を回り、社員との意思疎通を図り、
自分の考えを浸透させているようだが、グループ会社にはほとんどタッチしていないという。
これでは描くべきシナジーも生み出すことはできない。
そんなような話だ。
身の丈を大事にしなければならない。

ゴーン氏は毎日ニュースが出ているので今さら何か意見を述べることもないが、
大きくいえるのは長すぎる在任期間は危険。
モノが言えない文化が蔓延し、公私混同を起こしやすい。

2人が共通しているのは倫理観の欠如。
そして、どんな目的で会社を経営していくかを常に自分に向けているかということ。
その象徴的な出来事が昨年末に起きたわけだが、
これは2人だけが対象ではなく、すべての経営者に問われていること。

株価が乱高下し、景気の先行きも明るかったり暗かったりと読みずらい中で
僕らのような中小企業の経営者がどんな立ち振る舞いをしていくかが今問われている。
このようなニュースを他人事ではなく自分事として捉え、改めて身を引き締めなければならない。

今回のCDを聴き、背筋がゾッとした。
それは自分にも警鐘を鳴らすということ。

愚か者であっても、道は外してはならない。
そんなことを感じたCDだった。