なんとこの映画は東京で鑑賞。
名古屋でも上映されているが全然予定が合わず、わざわざ東京まで出てきて観ることに・・・。
それだけどうしても観たかった作品。
わざわざというのは冗談だが、東京出張の際、夜の時間帯でタイミングが合った。

初めて有楽町の劇場で観たのだが、館内は満員。
話題性の高さをリアルに感じた。
果たして名古屋でも同じだろうか・・・。

この作品を語るのは、ある意味難しい。
称賛すれば国から睨まれるだろうし、批判すれば勇気がないといわれるだろう。
会社を守る立場としてはその評価は難しいが(笑)、この作品に関わった東京新聞は褒めるべき。
すなわち中日新聞を褒めるべきだろう。

取材者の立場が否定的に捉えられる可能性をいい具合でぶっ飛ばしている。
また、映像空間は明らかにおかしい。
官僚の職場があんなに暗いなんてさすがにない。
ブラックな職場ではあるだろうが、映画で描かれる職場は異常としか言いようがない。
同様に暗いが、まだ新聞社の職場の方が健全。
あのコントラストが作品にいい緊張感を与えていたのは間違いない。

主役の二人がクローズアップされる姿は観る者を揺さぶる。
その演技に引っ張られる点は多い。
それにしても松坂桃李くんはいい役者になったと思う。
昨年の「虎狼の血」も良かったが、演技が深くなっているように感じる。

新聞記者役のシム・ウンギョンさんはこの映画で初めて知った。
なぜ、韓国人女優?
最初は違和感があったが、その背景を知るとある程度の納得感は出る。
批評を読むとこの危険な記者役を引き受ける事務所がなかったというが本当だろうか。
確かに国家の闇に切り込んだ作品。
かなり勇気のいる制作サイド。

しかし、アメリカではこの類の作品がバンバンと作られ、超一流の俳優が演じているのも事実。
やってやれないことはない。
と思っても、そう簡単ではないのかな・・・。

この映画に答えはない。
「問い」で終わる。
と僕は考える。
それでいいのだと思う。
観る側に答えを求めているのだ。

こんな作品が満員なのが嬉しかった。
今年に入って日本映画を観たのは5本目。
かなりショボい状態だが、観るべき映画に出会えたのは良かった。