本作はいろんな捉え方ができる映画。
作品に対して賛否両論もある。
お涙頂戴とかプロパガンダだとか。
確かにそんな感想もあるだろう。

しかし、いま語るべきはそんことではない。
そんな感想はどうでもいいと思ってしまう。

僕にとっては正しいリーダーシップを描く映画だ。
そんな表現もチープに映るかもしれない。

だが、その表現は間違っていないはず。
佐藤浩市にしても渡辺謙にしても、僕らが示すべきリーダーシップ。
何を優先すべきか明確だった。

では、佐野史郎はどうか。
確かにリーダーシップを発揮していた。
残念だが、そのリーダーシップは自分に向いていた。

ここではあえて役者名。
役名や立場は伏せておこう。
実際誰かかは分かっちゃうしね(笑)。

だから、僕は本作に痺れた。
今、発揮すべきリーダーシップ。
大袈裟にいえば、今まさに起こっていること。
新型コロナウイルスの猛威をふるう世界は別の意味で映画に近い。

僕は映画に自分をダブらせる。
本当に命を懸けて向き合っているか、
全てを犠牲にできるか、
守るべきを守っているか、
自分は自分の立場を全うしているか、
愛する者を理解しているか、

僕は涙を流しながら、自分に問うていた。
それは作られた世界ではない。
実在する世界。
実際の人物を描いている。
この真っすぐさを僕自身は反映させることができるか。

そんな気持ちになったのも今の環境があるからこそ。
大震災も感染症の拡大もないほうがいいに決まっている。
そんなことは当たり前だ。

しかし、予期しない出来事が起きた時に人の真価は問われるのかもしれない。
どこまで僕は覚悟ができているか。

震災当時、どんな人も辛い状況だったはず。
僕も同様。
当時のことはまだ鮮明に記憶に残っている。

だが、この現場の人たちに比べれば・・・。
覚悟のレベルが違う。
もっと試練を乗り越えなばならないのだろう。
いいタイミングでいい映画を観ることができたと感謝しなければならない。

そして思う。
この映画を素直に受け止められる人間で常にありたいと。
その気持ちは持ち続けたい。

映画の内容を語ることはなかったが、観るべき一本。
理解してもらえるのかな(笑)。