僕らのようなビジネスをしていると大学生を始め若者との接することは多い。
クライアントからは「最近の若者は・・・」と厳しいお言葉を頂くこともある。
それには共感できることとできないことがある。
例えば、約束を守らないなんていう基本的な行動特性でいえば、
若者を一緒くたに扱うのは誤っていると思う。
だらしがないヤツはそれまでの教育や生活環境が影響するのであって、世代の問題ではない。
現に僕の世代(世にいうバブル世代)は新人類と呼ばれ特別視されていたが、
50歳近くもなると年上の方とは何ら変わることはない。
世代で一つのことをくくってしまうのはとても難しいことだと思う。
ただ、本書に書かれていることはなるほどと感心する面は多く、
その価値観を理解する必要性は強く感じる。
特に自分たちがこれから展開するビジネスを捉えれば、
そこを無視することはナンセンスであり、自分たちの価値観を押し付けるのも間違った話。
何の意味もない。
かといって迎合するわけでもない。
それが今の時代として認識するだけのことだ。
僕は今の若者は優秀だと思う。マジメな連中も多い。
いいこととは言い切れないが僕の子供なんかも友達と大喧嘩をして帰ってくることはない。
相手に気を遣うコミュニケーションが備わっている世代だ。
著者の定義でいえば、「つくし世代」とは、
仲間たちの喜びのために奉仕し、尽くそうとすることが、
より日常的な行動原理、消費の原理にもなっている若者たちのこと。
人とのつながりを大切にすることと、
一人カラオケに象徴されるつながりからの解放を求めることとを上手く両立させている。
スマホを巧みに操るように、他人との関係性も上手に作り上げている。
確かに世代間におけるコミュニケーション不足を感じないわけではないが、
それは場数を踏めば何とでもなること。
うちの新人連中を見ても同じことはいえる。
明らかに僕が新人だった頃より、バランス感覚に優れ、自分たちがどうすべきなのかを理解している。
その点は大人たちが気づき、さらに伸ばす努力をしていく必要があるだろう。
ハングリー精神がたりないとかお金に対して貪欲でないことは感じることだが、それは仕方のないこと。
むしろその責任はこちら側にある。
環境が人を作るとすれば、いずれそんな機会は訪れるだろうから、
黙って見ておく程度でいいのかもしれない。
それにしても知らない言葉は多すぎる。
「よっとも」「いつめん」「にこいち」「BFF」
なんて友達に使う言葉も一つも知らない。
最近は「KY」なんて言わないみたいだし・・・(笑)。
情報の伝達手段は理解しているようでしていない面もあり、随分と勉強になった。
広告が響かないなんて当然。
この世代のことを知っておかないと自分たちの首を絞めることになる。
そんな意味では十分参考になった一冊であった。