約3か月ぶりに映画館に足を運んだ。
ようやく本来の映画コラムニストの仕事もできるわけだ。
お邪魔したのは会社近くのミリオン座。

映画館は再開したとはいえ上映本数も少なく、話題作の上映もまだまだ。
それはミリオン座に限らず、ミッドランドスクエアシネマも中川コロナも同じ。
席数も半分程度に絞られて、着席不可のマークが・・・。

観客数も少ない。
まだまだ映画館も厳しい状況が窺える。
敢えてお客さんを呼んでいないような気もする。
それはそれでちょっと寂しい。

しばらくすれば新作も公開されるだろうが、早く通常状態に戻ってもらいたい。
映画評論仲間とも飲みながら熱く語りたいし・・・。
と久々に映画館にお邪魔した際の感想。

そんな中で観た本作。
数少ない新作。

もっと多くの作品が公開されていたらリストから漏れたかもしれないが、これもご縁。
アメリカでは誰でも知っている英雄の物語。
僕が知らなかったのは歴史の勉強不足。
ドル紙幣に採用される奴隷解放運動家ハリエット・タブマンの激動の人生を描く。

僕がふと湧いた疑問。
そんな人物ならとっくの昔に映画化されていていそうだが、
そんな簡単な問題じゃないのかな。
黒人の奴隷問題を描くのは今の時代でもハードルが高いのか。
そんなわけないよね・・・。

演じる役者の問題か?
主演のシンシア・エリボを観た時に、僕はウーピー・ゴールドバーグを思い出した・・・。
今は何をされているのかな?

と本作とは関係ないことばかり書いている。
そろそろ映画の評論に入らないと・・・。

ある意味、女性ヒーローの話。
壮絶な人生を歩み、生死を掛けた行動を起こしている。

きっとすべてが実話。
常軌を逸している。
そこに感情移入し感動を生むのは間違いない。
アカデミー主演女優賞の候補になるのも頷ける。
彼女の歌も素晴らしい。

それは事実。
作品として評価も高いだろう。
だが、何かが違う。

ちょっとした違和感であり、緊張感の欠如。
この類の作品に求められるピリピリ感が足りない気がしてならない。
社会派ドラマなのか、ヒーローを描く娯楽作品なのか観る者を迷わせる。

そこが映画コラムニストとして、何かが違うと思った点だろう。
僕の感性のなさかもしれないけど・・・。

描かれている時代は1850年代。
日本では江戸時代末期。
断然時代はアメリカが進んではいるが、この時代はどこの国も大きく変わるタイミング。

たった150~160年前。
さほど昔ではない。
しかし、その歴史があるからこそ、トランプ政権も安倍政権も成り立っている。
それはどうでもいいか。
政治的意図があるわけじゃないし・・・。