大切なのは順番を守ること。
映画が進む中で僕はひしひしと感じていた。
その順番とは何か。
親は子供より先に死んではいけない。
父親より母親が先に死んではいけない。
それは親に立場になっても同じ。
大人になっても順番を守らなければならない。
僕は母親よりは先に死んではいけない。
子供は僕より先に死んではいけない。
悲しみは悲しみに違いないが、順番が守られればそれは感謝にも変わる。
順番が違えば悲しみは一層増すことになる。
本作を観ながら、そんなことを感じていた。
それはこの作品が訴えたいことではないはず。
亡くなった者も生身がないだけで存在が亡くなっているわけではない。
娘役の美紀が意地を張るように亡くなった者でも常に家にはいる。
その健気な姿に感動しながらも、親としての意味を問う。
と訳の分からないことばかり言っているが、
平凡な生活がいかに幸せかを感じさせてくれる映画。
観るべき1本。
山田孝之演じる父親が男手ひとつで娘を育てていく物語だが、特別なことはない。
周囲の協力があるものの至って普通のサラリーマン。
フレックスタイムを利用しながら、上司の気遣いを気にしながら娘と共に過ごす。
彼はスーパーマンじゃない。
時に弱気になり、自分の未熟さに反省しながらも懸命に向き合っていく。
娘は父の苦労を痛いほど感じ、あり得ないほど物わかりがいい。
それが却って辛くなる。
父も観る者も・・・。
見方を変えれば、立場が変われば不幸な物語になる。
途中で投げ出す方が全うといえるだろう。
それを支えるものは何か。
山田孝之演じる父親はスーパーマンではなく普通のサラリーマン。
それが僕を熱くする。
同時に僕の家族に感謝する。
守られた順番に感謝する。
やはり順番を守ることが子供を育てる、家庭を維持する上で重要なのだ。
何度も何度もウルウルしながら出来損ないの自分を反省し、健康な嫁さんに感謝する。
これじゃあ、映画のことはさっぱり分からないね。
まあ、映画コラムニスト的には正しいけど・・・。
愛しい作品になった。
そして、新しい発見も・・・。
知らなかったステキな役者さんを知ることに。
まずはゲロ先生役の伊藤沙莉。
娘役の白鳥玉季。
年齢ごとに娘は3人が演じている。
この3人とも素晴らしかったが、小学1年生を演じていた白鳥玉季の表情は最高。
これから間違いなく引っ張りだこだろう。
他にも役者陣にエールを送りたいが、前段が長すぎたのでブログはここまで。
家族の大切さを感じる作品だった。