還暦まであと6年。
まだまだ先の話ではある。
今、読む必要もない気もするが、出口氏からすればどうでもよくちっぽけな事柄。

著者は還暦と言うものの分かりやすく例えているだけで、
対象は何歳も構わないし、底力を発揮するのは60歳からでなくてもいい。

では、僕がなぜこの時期に本書を読んだのか。
この先、どんな人生を送っていくのか、
人生を見つめ直す時期に差し掛かってきたから・・・。

就職してからこれまでなりふり構わず突っ走ってきた。
気づけば30年を超えていた。
後悔はしていないし、充実した時間を過ごせてきた。
通常では味わえない経験もさせてもらった。
感謝すべき30年強。

では、この先もこのままでいいのか・・・。
どうだろうか。
ふと立ち止まって考える時期。

僕の人生はまだまだこれからだとも思うし、新たなことにチャレンジもできるはず。
仮に65歳で引退するにしても10年以上の時間はある。
そうだとすれば、これから自分がやるべきこと、やれることは何だろう。
そして、やりたいことは何だろう。

就活前の学生ではないが、この年齢になって改めて真剣に考える時。
そんな時に出口氏は背中を押してくれる。
始めるのに遅すぎることはないと・・・。
定年も敬老の日も要らないと・・・。

確かに僕も長い間、「飯・風呂・寝る」の低学歴社会を生きてきた。
それに比べれば「人・本・旅」の高学歴社会は少ない。
人や本から学んだことは少なくないと思うが。
旅からの吸収は少ないし、トータルでいえば全然足りない。

幸いなことに子供にも手が掛からなくなった。
お金のかかる大学生の息子がいるとはいえ、時間の問題。
収入をさほど考えることなく、仕事に向き合う時間も増やせるはず。

これまで築いてきたことも自分の能力とではなく運に恵まれただけ。
肩書や会社名に頼らず自分の能力だけで通用することは果たしてあるだろうか。
多分、ないだろう。

出口氏の言われる「教養=知識×考える力」を磨かないと充実したこれからはない。
それがおいしい人生を過ごすための必須条件だとすれば、身に付ける努力をするしかない。
そんなこれからの人生であってもいいんじゃないかな。

出口氏とは2度ほどお会いし、直接アドバイスをいただいたこともある。
すでに5年以上前だが、当時とは僕の悩みも変わってきた。
それでも相変わらず勇気づけて頂ける。

「迷ったらやる、迷ったら買う、迷ったら行く」
出口氏のモットーをそのまま実行に移すべきかもね。

夏休みのいい課題図書となりました。
感謝!