映画評論仲間のBushさんのオススメがなければ観ることがなかった作品。
存在にすら気づかずスルーしていた可能性も高い。
持つべきは見識高い仲間ですね。
感謝!
タイミングよくミリオン座での公開も運が良かった。
本作はハンガリー映画。
昨年が観た「サウルの息子」も2年半前観た「心と体と」も結構重い。
重い作品がハンガリー映画の特徴なのか、はたまた重い作品が国内で上映されるのか、
その背景は分からない。
しかし、アメリカや韓国以外の外国映画を観る機会を作った方がいいのは事実。
歴史的な背景や政治色、その文化も学ぶことができる。
多分、ハンガリーに旅行に行くことない。
あれっ、娘は行ったのかな?
特に本作はその歴史的背景を知っているか否かで感じ方が違う。
僕のような疎い人間も感動できるが、歴史の詳しい方の感動は別次元へと誘うだろう。
その点が僕とBushさんの視座の高さの違いか・・・。
このあたりに人としての深みの違いが出ますね(笑)。
僕らは第二次世界大戦を日本中心で考えがち。
日本とアメリカ、日本とドイツ、その関係において両国間の立ち位置を語る。
ではハンガリーの立場で語ることができるか。
多くの人はその事実すら知らない。
ホロコーストといわれるナチス・ドイツが行ったユダヤ人の虐殺の舞台がハンガリーだったことも・・・。
無知は罪。
もっと歴史を知らねばならない。
国内の悲惨さを知るだけが戦争を反対する理由ではない。
同様に外国でも深い傷を知ることが反対の理由にも繋がる。
本作を反戦映画と捉えるのはナンセンス。
僕もそんな語り口だが、それを主張したいわけではない。
傷つきながらもどうすれば希望を持てる人生を歩むことができるのか。
感情を捨てた人間が人と関わりで大切なものを取り戻していく。
小さな変化の積み重ね。
そのありがたさを映画は教えてくれる。
このコロナ禍の辛さがほんのちっぽけな出来事といい錯覚を与えてくれる。
そして、気づかせてくれる。
守るべきは守ると・・・。
とても小さな作品だが、この時期に公開されるのは大きな意味があるのかもしれない。