これを読もうかどうか思っていたところ、
盟友であり、昨日も「Clubhouse」をご一緒した櫻山さんが絶賛していたので手に取った。
山口周氏はここ最近では好きな作家の一人。
著書も読みオンラインの講演会も参加したりしている。
作家というよりはビジネスセンスのある哲学者なのかもしれない。
本書もその表現にあう作品ともいえないか。
「ニュータイプの時代」を読んだ時も「意味がある」ことを強調されていたが、本書もそう。
さらにパワーアップ。
改めて自分の存在に問いを立てることにもなった。
僕らは、いや、ここでは僕はというべきだろう。
僕は常に上を目指して頑張ってきた。
あまりいい時代とは表現されない平成という時代のど真ん中で勝負をしてきた。
少しでも自分も他者も成長することを期待し努力してきた。
それでも日本のGDPは伸び悩み、失われた30年と揶揄された。
目標はいつも前年比110%とか120%を課せられ、それが当たり前と認識していた。
目標達成が成長だと思い込んでいた。
そのためには勉強をしなきゃいけないし、多くの出会いを求めなきゃいけない。
それを繰り返すことが正解であり、他者にもそれを要求してきた。
それが僕の「べき論」。
平成はそれが正しかったかもしれない。
実際はそうじゃないが、そう思いたい。
そんな自分がいるのは確か。
今もその価値観に縛られているのは否定できない。
しかし、そんな価値観もそろそろなのかも。
山口氏に「山田さん、そんな時代はとっくに終わったよ。」と鼻で笑われそう。
これから向かう先は「高原社会」。
その社会の前提がエコノミーとヒューマニティーを両立させることになる。
僕自身のこれまでの理想をリセットし、新たな理想を作り出すのが今のタイミングといえそう。
あまり成長を臨むのはエゴと解釈した方がいい。
資本主義にどっぷり漬かった自分を壊すことは容易ではないが、
この先を考えるのであれば確かにその方が生きやすい。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」も違う意味になるかも。
いや、死語になるかもね。
本書では「新卒一括採用」の弊害にも言及している。
表面的に捉えれば山口氏の書かれる通りだと思う。
しかし、実態は少しずつではあるが本質的な行動に向かっている。
急には変わらないが少しずつ変化が生じているのも事実。
そこは敢えてそんな表現をしておこう。
はたして山口氏の唱える「ユニバーサル・ベーシック・インカム」の時代がくるかは分からない。
ただそうなったとしても当たり前でいられる自分でありたい。
いい勉強になりました。