昨年見逃した本作をAmazonプライムで鑑賞。
それも有料で。
いい作品は見放題でなく、しっかりとお金を払わないとね。
偉そうに言うほどでもないが(笑)。
本作の主役は濱田岳というより水川あさみ。
この作品でキネマ旬報主演女優賞を獲得。
雑誌のインタビュー記事ではとてもチャーミングに写っているが、
映画の中の彼女はすさまじい。
「ミッドナイトスワン」のダメな母親役も良かったが、やはり本作はそれを上回る。
旦那役である濱田岳を罵倒し続ける姿は恐ろしくもあるが、可愛らしさもあり憎めない。
すっかり色気を失ったオバさんの香りもするが、
時折見せる愛くるしい表情にはドキッとさせられる。
これが映画の大きな魅力ともいえよう。
それにしても売れない脚本家、濱田岳のダメっぷりにはほとほと呆れるが、どうも憎めない。
娘に対してのモノで釣るとか、噓を言わせるとか、父親としての行動も最低。
見ていて腹も立つ。
しかし、なぜかほのぼのしてしまうし、許してしまう。
それはなぜか。
娘役の新津ちさの演技によるところが多い。
本当にこの夫婦の子供のような無邪気で自然体な演技。
演技ではなくそのまんまじゃなかと思わせる。
天才子役じゃないか。
彼女の母親、父親に対して気を遣う表情。
子供らしいワガママな態度。
そして親への感情。
いやいや、素晴らしい。
軽蔑なまなざしを送る母親、スケベさと情けなさを交互に見せる父親、そして娘。
この3人がロケハンがてらの旅行で家族の崩壊と絆をシンクロさせていく。
状況次第では暗くなりがちな物語だが、本作はタイトル通り喜劇。
ゲラゲラではないが、ほんわか笑ってしまう。
この作品は足立紳監督の自伝小説の映画化だが、よほどだらしない人だっだわけね。
成功したから自伝も作品となる。
やはり男はいい女性に恵まれないと一人前になれない。
水川あさみは屁の一発さえも男を幸せにする。
僕も缶チューハイをストローで飲んでも許すだろう。
いい女性の普段の行いが男を創る。
楽しめる一本でした。