柳井正 わがドラッカー流経営論 (2010/01) NHK「仕事学のすすめ」制作班 |
最近、巷にドラッカーが溢れている。
今週の週刊ダイヤモンドの特集もドラッカー。
特にこのような厳しい経済環境だがらこそ、余計に注目されるのかもしれない。
そして、ビジネスマンなら一度は手に取る代表的な経営学者だ。
そんな自分も数年前から、機会がある時に読むようにしている。
しかし、残念ながら、彼の著書を自分の中にうまく取り込めていない状況にあった。
一つ一つの言葉は理解できても、自分のものとして吸収し、活かされてこないのだ。
自分には経営の才覚が乏しいのではと落胆したものである。
その落胆と危機感の中で、「ユニクロ」を牽引する柳井氏が、
NHK教育テレビでドラッカーについて語る番組を見ることとなった。
今の柳井氏自身の存在は、ドラッカーの影響が大きいという内容であり、
その薫陶を受けた言葉や教えを熱く語っていた。
その後、この著書を手に取る事になった。
柳井氏がドラッカーの影響を受けつつ、どうやって「ユニクロ」を躍進させたかが、分かりやすく書かれている。
その経営者としての生き方も参考になるのは当然だが、
ドラッカーを吸収するには、かなりの時間を要した事も。
何度も何度も読み直し、株式上場した時期に本質的な意味を理解したということを・・・。
情けないが、この事実にちょっとした安心感を覚えた。
まだまだ理解しきれない自分も許されるのではないかと。
だからこそ、誓うのだ。
これから時間をかけて、ゆっくりとその書かれている本質を理解しようと。
少しずつでも自分を成長させようと。
そんな意味でも、この著書はドラッカーの広報に十分貢献している。
安易に「顧客を創造しろ」とか「強みを生かせ」なんては、言ってはいけないかな。