昨日、ある広告代理店の社長が来社された。
以前は大手就職情報会社に勤められていて、その当時に名大社の担当として、関わりのあった方だ。僕は初めて挨拶させていただいたのだが、当社の媒体担当が懇意にしていたこともあり、名大社が代理店をしていた昔話から現状のリクルーティング業界まで話は尽きることなく盛り上がっていた。
ふと話が途切れた瞬間、その社長が鞄の中から一通の手紙を取り出し、僕に差し出した。見覚えのある書体で、封書の裏を見ると旧姓で懐かしい名前が書かれていた。
今から10年以上も前になるが、一緒に働いていた名大社の先輩女性の名前だった。
先輩と言っても堅苦しい関係ではなく、一緒に飲みに行ったり、スキーに行ったりする仲のいい仲間であった。
名大社を退職した後、別の会社で名古屋の所長を任される活躍をし、その後、結婚された。最近は全く音沙汰がなかったが、子ども産み幸せな生活を送っていると噂では聞いていた。その彼女が、昨日初めてお会いした社長の会社で働いているのだ。
こんな偶然はめったにないと思う。また、世間は狭いと痛感した。しかし、これは名古屋という程よいマーケットだからこそ、起き得る話だとも思う。首都圏であれば、僕自身のネットワークが無限大に広がっていない限りはあり得ない話だろう。
その手紙には、社長就任のお祝いと激励の言葉が並べられていた。簡単ではあったが、とてもうれしいありがたい手紙であった。
人と人は何処でどう繋がっているかはわからない。ただ、間違いなくどこかで繋がっているのだ。そして、一つ一つの繋がりがあって、今の僕自身が成り立っている。
些細なことではあるが、うれしい一日であった。
2010年6月2日