本日も引き続き、東京。簡単な用件を済まし、HRプロ主催のイベント会場に向かった。
第一講演のテーマは「2011年度新卒採用戦線中間総括」。HRプロの代表の寺澤さんの講演である。
(その寺澤さんを就職エージェントの社長に講演後、紹介いただいた。昨晩ご一緒した大手就職情報会社の役員もその寺澤さんとは飲み友達という。つくづく世間は狭い。)
まず、中間総括というのは正しい表現だと思う。一部では既に本年の総括を行っている他社もあるらしいが、学生の内定率が50%を大きく下回っている現状を考えれば、とても総括することは難しいと思う。名大社でお手伝いさせていただいているクライアントも採用活動真っ最中のところが多い。全てを振り返るのはあまりにも早すぎる。
また、首都圏と東海圏を比較した場合でも、時期的なずれは生じるはずだ。
今回の講演の特徴は、就職情報会社が発信する情報ではなく、より客観的で中立な立場の方が話されることにある。就職情報会社の総括が悪いわけでもないが、どうしても自社のデータを活用しながらの報告となるので、偏った情報があることは否めない。これは名大社が仮にやったとしても同じことは言えるだろう。
そういう意味においては、客観的事実に沿うこの講演は自分にとっても価値のあるものだ。
定性的に考えていた僕自身今年の採用戦線は、寺澤氏の発表と概ね近いもので、学生間の二極化の格差がより広がった年である。5月を過ぎて、あれだけ母集団を形成していた企業の内定辞退が予想以上に多いのは、内定獲得の格差が拡大したひとつの理由だろう。また、ネット全盛時代にあって、人と人のコミュニケーションの重要性もより明確になってきた。
今回の講演でも言われていたのが、5月あたりで就職活動に疲弊し、活動自体を止めてしまう学生が多いということ。そして、就業意識が下がったまま卒業を迎え、未就業者として社会に出ることとなる。
2010年卒に起きた現実が今年も既に出始めているのかもしれない。求人倍率だけ捉えれば、まだまだチャンスがあるにも関わらず・・・。
何とか諦めずに頑張ってほしいという願いは、今回の講演でも十分に感じられた。
本来、人事担当者向けや経営者向けに行われた講演ではあるが、就活生も話を聞けば今後の活動の参考には十分なり得る。
変なマニュアルよりも余程タメになる講演だと感じた。
2010年6月8日