本日の日本経済新聞に、就活スーツに関わる記事があった。就職戦線が長期化することや早期化することで、この夏のシーズンに学生がリクルートスーツを着る機会が増えているという。
実際、僕自身が担当する大手紳士服専門店でも既に大学3年生の就活スーツの購入が増えていると聞く。この大手紳士服専門店の仕事は、もう10年近く担当させてもらっているが、ほんの数年前はスーツの売り上げのピークは年明けだったと記憶している。
それが年内にずれ、今やこの夏の時期に就活生が購入する時代になった。インターンシップに力を入れる大学も増えたのも、その要因だといえる。以前と比べスーツの価格が驚くほど下がっているとはいえ、学生にとっては痛い出費となるはずだ。それも秋や冬ではなく、このジメジメとした暑い時期に着なければならないのは、軽装が当たり前の学生には苦痛でたまらないだろう。
社会人であればクールビズだといって、ノージャケット、ノーネクタイで通すことも一般化してきてはいるが、これから自分自身を選考にさらす学生はそんなことは言ってられない。
僕が第一線で営業をやっていた時代は、スーツが当たり前だったので、この夏場の時期が一年通して一番辛い時期であったが、それも昔の話。今は就活生やインターンシップ生が日本の中で、一番大変な思いをしているのかもしれない。時間の経過とともに、就活生もクールビズだ!となるのかもしれないが、今の環境下ではすぐに訪れることはないだろう。選考では、まだまだ第一印象が重要視されることが多いのだから・・・。
ただ思うのは、その就活スーツをヨレヨレになるまで着こんだか、そこまで懸命に頑張ったか、それが大切だと思う。理想的には暑くなる前の段階で志望先に内定をもらい、就職活動を終了することがいいには違いない。
しかし、そうではなかったとして、その暑苦しいスーツを着て行動する時期があった事は、決して無駄にはならないだろう。
4年生においては、最初に買ったスーツがボロボロになり、二着目、三着目の必要性があるのかもしれないが、その努力を裏切ることはないはずだ。むしろ、就職先が未定のままにも関わらず、きれいな状態のままの就活スーツが存在していることが問題だと思う。
今、活動中の4年生は時期的にも精神的にも本当に辛い時期を迎えているだろう。しかし、この暑い時期にどれだけ動けるかが、これから先の人生にもつながってくる。
いずれ涼しい時期はやってくる。
汗だくになりながら、動き回るのもきっといい思い出になると思う。
2010年7月14日