当初は本作ではなく「返校 言葉が消えた日」を観る予定だった。
社会派ドラマよりホラーの要素が強いと思い、
観賞日直前でこちらに切り替えた。
近くの映画館で時間帯が合ったというのが映画を観た正直な理由。

僕はミュージカルに心を踊らされることはなく、
3年前の「グレーテスト・ショーマン」程の話題性がないと観ない。
本作はそこまでの話題性はないと思うが、
時間の余裕のある時に何も考えず観るには最適な作品。

本作を非難しているのではない。
夏休みに弾けたい気持ちがある時に観るには相応しいということ。
この季節にマッチした一本といえるだろう。

上映時間は143分と少々長い。
通常の映画なら途中に中だるみするケースは多い。
2時間を超える時間で集中力を維持するのは意外と難しい。

作品の持つ緊張感が重要。
しかし、本作に緊張感があるかといえばそうではない。
むしろ一般作に比べて、ないともいえる。
それでも維持できるのは定期的に訪れる美しく楽しい音楽とダンスがあるから。

映画に登場する全ての役者陣が一糸乱れることなく、
最高のパフォーマンスを発揮する。
そのシーンを切り取って観るだけでも十分な価値はある。
それが肝となるシーンで繰り広げられ、観ている者を楽しませる。

そうして映画は流れていく。
そして、大切なのは必ずハッピーエンドで終わること。
この類のミュージカルで絶望的なラストシーンを迎えるとなると、
これまでの時間が無駄になる。

盛り上がった宴会が締めの社長の挨拶でドン引きとなり場が凍り付くのと同じ。
あっ、僕はそんなことはしないからね。
空回りはあるけど・・・。

ミュージカル映画のラストシーンは定番でなければならないのかも。
僕は日本映画のファンだが、こういった作品を日本で作るのは難しい。
英語だから堂々と作品を打ち出せる。
人種の気質もあるとは思うけど・・・。

アクションやアニメのいいが、こんな作品を家族で観るのもいいかもね。