21日の土曜日、キャリアカウンセラーの勉強会に参加した。自分も所属するCDAプラザの月1回行われる勉強会で、この日も企業の人事担当者や大学関係者、フリーのキャリアカウンセラーなど20名ほどの方が集まった。
今回は、外部講師として大学内でキャリア講座を担当される方の講義。基本的なカリキュラムから、個々の大学内におけるカスタマイズされたカリキュラムの具体的な内容を、現在の大学内で抱える課題や学生の置かれた状況を踏まえ話していただいた。
それは自己分析、企業分析から始まり、753問題や早期離職の弊害など、学生が就職活動を行い、就職先を選択する上で基礎となる内容だったが、学生に対しての伝え方は予想しているよりも難しいようだ。
そもそも大学に入ってからの目標設定や将来の職業観を持っていない学生が多いのもその理由だ。
そのため、まずそこをしっかりと押さえ、どのようなビジョンを描くのが学生にとっていいのかを伝えるのが重要である。
僕らの学生時代は、キャリア教育という言葉自体が存在せず、個々人がそれぞれに描く将来に勝手なイメージを膨らませてきただけ、そんな難しい事は何ら行っていない。
ただ、自分の方向性を自分で決める行動は当然の時代であった。
社会が複雑になり雇用形態も多様化し、その一方で進学率が高まった昨今では、そのことを学生に求める事に無理があるのかもしれない。
そんな話をしている流れから、大学が行うべき教育、学生本人がなすべき行動について、議論が展開された。
今の大学が目指している方向と学生が描くキャリア像、そして企業が求める人材像に大きな隔たりがあることが、議論の中心となった。
中には、大学の評価ポイントを就職率の%ではなく、離職率の%に置き換えることにより、ミスマッチも減少するのではないかという斬新なアイデアも出て、講義の本来のテーマからは、異なった展開なったが、どれも真剣な考えであり意見であった。
この場で、日本のキャリア教育を変えることは難しい。というよりも実現可能性はないといっていい。
しかし、このような熱い思いで今後の学生のあるべき姿を語り合う事は、決して無駄ではないはずだ。一人ひとりの真摯な取り組みは、必ず向かうべき方向に伝わっていくものだと思う。
学生を取り巻く環境は厳しく、それに関わるニュースもネガティブな内容が多いが、我々はその中にでも希望を見出さないといけない。
そして、その希望を個々の力に変化させる場を作り、育て上げなければならない。
時間の関係でこの議論は中断となったが、その制限がなければ延々に続いただろう。
別の機会に、時間を気にせず議論する場を設ける必要があるのかもしれない。
2010年8月23日