名古屋ファミリービジネス研究会でご一緒する尊敬すべき先輩経営者から勧められたドラマ。
Amazonプライムで第9話まで一気に観てしまった。
いやあ~、面白い。
先輩経営者が息子に観させた理由も理解できたし、同族経営に関わる者は観ておくべき作品。
池井戸潤作品は読んでいる方だが、原作は全く触れたことがない。
例によって舞台はメガバンクだが、
(当時は都市銀行ね)
そこに絡む人間模様が池井戸作品らしい。
2017年にWOWWOWで放映されドラマなので、ネタバレも構わないだろう。
映画コラムニストの仕事でもないし。
タイトル通り主役は二人のアキラ。
なぜカタカナとひらがなかは不明だが、
境遇の違う銀行の同期の彬(向井理)と瑛(斎藤工)が互いの背景を絡ませ物語は進む。
まずこの二人がいい。
向井理はこれまで育ちのいい優男のイメージしかなかったが、それを残しつつも見事に後継者を演じる。
大手海運会社の三代目だが、部下を叱責するシーン、先代を想い涙するシーンは印象深い。
一方、斎藤工は「孤狼の血LEVEL2」のヤクザだったり、インディードのCMであったり、
なんでも来いという感じだが、実直な銀行マンを演じきっている。
二人とも隙がない。
それはドラマがそうさせているせいもある。
池井戸作品のドラマといえば「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」が頭に浮かぶ。
どれも面白いドラマだったが地上波との違いなのか、こちらは硬派。
半沢直樹に見られるような大袈裟な演技や流行語になりそうなセリフなどエンターテイメント性は皆無。
楽しめるのは地上波ドラマだが、胸に突き刺さるのはむしろこちら。
より企業社会を描いている。
倒産、M&A、粉飾決算、事業承継、兄弟の葛藤、確執など、
実際に起こり得る様々な問題に正面から向き合っていく。
このドラマだけで同族企業の強みも弱みも学べる。
苦労も喜びも・・・。
一般的に同族企業は長男が会社を継ぐケースは多い。
親族外承継が増えているとはいえ、
●●家の長男だから会社を継ぐのは当たり前、そんな見方も多い。
決して間違っていないと思う。
ドラマではそれを宿命と呼んでいるが、生まれた瞬間から運命づけられることも多い。
それに対しての反発や受容は当事者しか理解しえない。
また、時代考証も素晴らしい。
90年代初めバブル世代の僕らが着ていたスーツはドラマと同じ。
現代に照らし合わせるとファッションの違和感があるが、当時はあんな感じだった。
昔はあれがカッコよかったんだよね(笑)。
このドラマを観て、今後、WOWWOW系のドラマにハマっていきそうな嫌な予感。
面白そうな社会派ドラマが並んでいる。
次は「しんがり」か・・・。
困った・・・。
ただこんな時間も大切にはしたい。
おススメしてくれたI社長、ありがとうございました。