先日、「アキラとあきら」を観て、すっかりWOWWOW硬派ドラマにハマってしまった。
その第2弾がこれ。
ずっと前から気になっていたし、原作も読みたいと思っていた。
なかなかキッカケが掴めずここまできたが、レコメンドで表示され、一気に観てしまった。
NHKであればこんな社会派ドラマは制作するだろうが、基本的には仕事好きしか観ないようなドラマ。
それにまんまと乗っかって感動してしまう自分は仕事人間ということか。
ご存知のように本作は破綻した山一證券の闇をえぐった社会派ドラマ。
社名はそのままだが登場人物は架空。
フィクションではあるが実話を基に制作されている。
多少、大袈裟な演出はあるかもしれないが、
実際にこんな隠ぺいが企業内で繰り返されていた事実を知ると絶望的になる。
しかし、そこには悪があるわけではなく、あくまでも自分たちの正義が成り立つから質が悪い。
僕が当時の会長、社長だったらどう行動するだろうか。
同じような行動をするだろうか。
冷静に客観的な立場であればNOといえるが、いざ、当事者となると貫けられるだろうか。
景気が回復し株価が上昇すればすべてがうやむやになりなんら問題は起きない。
そんな認識は当然浮かび上がる。
時代のせいだと・・・。
そんなことを言ってしまえば全て時代のせいにすればいい。
今、状況が良くないのはコロナのせい。
それで許されるのであればどれだけ楽なことか。
コロナでもバブル崩壊でもリーマンショックでも責任は自分で取るしかない。
だが、一度、美味しい思いをしてしまうと抜け出せなくなるんだろうね。
妙なエリート意識も邪魔するだろうし・・・。
ドラマのテーマはそこではないが、この6話を一気に観ながらそんなことを感じた。
江口洋介扮する梶井本部長以下、業務監理本部のメンバーはすこぶるカッコいい。
実際は周りに翻弄されながら、迷ったり嘆いたりするが、
最後まで諦めず貫く姿には素直に感動する。
仕事人の誇りを感じる。
事実も違いはないだろう。
こうした人がいる限り、本来の意味の正義は守られる。
それが正直な姿。
僕がもし業務監理本部に所属をしていたなら同じ行動をしたと思う。
だが、それは1997年当時だからできたのもかもしれない。
これも要らぬ詮索だが、今のこの環境下で同じ行動が許されるだろうか。
深夜も休日も関係なく働き続ける。
その正義は”働き方改革”の名のもとにブラックにすり替わり、
バッシングの要因になってしまうのではと勘ぐってしまう。
より効率的な業務は可能かと思うが、世間の反発も起きないわけではない。
これも余計なことだが、そんなことを感じてしまったり。
90年代だから描くことができたドラマ。
梶井本部長もその時代に熱い人だったから、結果としてヒーローにもなれたのかと・・・。
ただこの姿勢は失ってはいけない。
時代が変われども、貫く姿勢は変わらない。
10年後、その時の20代がこのドラマに感動するかどうかは不明だが、
個人的にはいつまでも感動してもらいたいと思う。
最後まで自らを信じて正義を貫いていきたいね。
誤った正義じゃなくて・・・。