なかなかいいタイトルである。
このようは書籍が発行されると僕の普段の行いも肯定的に見られるんじゃないかな。
映画コラムニストは実際の仕事にも役に立っているんだと。
それも人生にいい影響を与えているんだと。

僕は近い将来、映画とキャリアを結びつけるような役割も担っていきたいと考えるが、
本書の存在が後押ししてくれることにもなるかもね。
いろんな視点で捉えることで映画は人生に役立つ重要なコンテンツ。
それも証明できるだろう。

自ら映画コラムニストを名乗りエラそうなブログを書いているが、
本書を読むと、まだ映画に関する知識も見方も足りないのがよく分かる。
所詮、自称に過ぎず、所詮、素人。
もっと深い視点で映画を観ないと作品の持つ本来の魅力を理解することはできない。

一つの作品を1回観るだけでは理解不足。
何度か観ることにより、ようやく納得の範囲内に収まる。
もしくは集中力を3倍にして、すべてのセリフ、すべてのカット、
その繋がりの意味を理解しないといけない。

映画は楽しむものであると同時に考えを深めるものでもある。
そこで初めて教養が身につくといえるのだろう。
そう考えると映画のハードルが一気に上がってしまうので、それを中和するのが僕の役割。
ほんまかいな・・・。

本書には映画の効用、映画の歴史、日本の古典映画の評価の高さ、絵画としての視点など、
僕が思いもつかないような切り口で迫ってくる。
だからこそ新しい発見と驚きがあり、未熟さを痛感することにもなった。

例えば小津安二郎監督の描く世界について。
世界的に評価の高い小津監督が何を真実として訴えかけようとしているのか、
ぼーっと観るだけでは何一つ理解できない。
ローアングルでカメラを固定した撮影法は僕でも語れることではあるが、
そこに秘められたメッセージは何か。
似たようなカットをワザと前後で映す意味とは何か。
そんなことを考え観たことはない。

「東京物語」が「史上最も偉大な映画」歴代ランキングに常にランクインしているのは
海外の批評家がそこを読み切っているせいもあるのだろう。
アマゾンプライムのウオッチリストに入ったままの状態から出すいいキッカケかもしれない。

いずれ小津作品には向き合おうと思っているし。
学生時代観た時はあまり面白いとも感じなかったし。
それなりに年齢を重ね教養も身につき、
(えっ、身についてない?)
鑑賞能力も上がっているはず。

最近でいえば「ボヘミアン・ラプソディー」の噓のテクニックを言及していたり。
観る側は上手くコントロールされているんだと・・・。

著者は観た映画のアウトプットの重要性も語っている。
僕がその都度、ブログにまとめるのも間違ってはいない。
むしろいい人生を送るために必要なこと。

本書を読んでちょっと自信はついたね。
まだまだ足りない点は大いに認めるけど。
個人的に十分楽しめる書籍でした。