大真面目なふざけた映画とは本作のことをいうのだろう。
ジャンルとしてはブラックコメディ。
笑うに笑えない映画を見事に制作している。

舞台は現代のアメリカ。
メリル・ストリープ演じる大統領はヒラリー・クリントンを思わせる。
しかし、イメージはトランプ元大統領。
政治に疎い僕でもそれが理解できるくらいだから、
本国では痛烈な皮肉に映っているのではないか。

それだけでもさすがアメリカ映画と拍手したくなるが、
映画は遠慮なしに最悪の事態へと進んでいく。
国をも動かすスマホ会社もどこかのようだ。
CEOの発言は大統領の権力をも上回る。
facebookやtwitterがトランプ大統領のアカウントを停止させてしまう程のインパクト。

アダム・マッケイ監督はそれも予測した上で映画を作っていたのかな?
ここまで書いたところでいつものようにどんな映画がさっぱり分からないブログ。

思ったほど話題じゃないので簡単にあらすじを説明すると、
彗星が地球に衝突し人類が滅亡の危機にあることを発見した天文学者の教授と
大学院生がその事実を伝えようと懸命に国に訴え、国を動かそうという話。
天文学者がレオナルド・ディカプリオで大学院生がジェニファー・ロレンス。

そこで登場するのがオーリアン大統領とバカ息子補佐官。
メリル・ストリープ演じるこの大統領が最高なのだ。
僕はもっと固い女優だと思っていたが、こんなサイテーな大統領を見事に演じきる。
サッチャー元首相だって演じれるのに・・・。
ラストシーンも衝撃的だった。
彼女のヌードは見たくはないけどね・・・。

本作は豪華俳優陣が出演。
勢いあるNetflixの力だとの噂も聞くが、この俳優陣が大真面目にふざけた演技をしている。
う~ん、凄いですね・・・。

これで僕の中のアダム・マッケイ監督の印象がより強くなった。
最近では「マネー・ショート 華麗なる大逆転」「バイス」を観たが、
社会派ドラマを上質なコメディ映画に仕上げている。
これからの作品も楽しみにしたい監督。

何気なく観た映画だったが、いやいや面白かった。
本当は「ジャスト・ルック・アップ」が正解だと思うが、
このタイトルにするのも皮肉っぽくていい。