もうそろそろかもしれない。
正直そんなことを感じた。
それは何か。
クリントイーストウッド監督が制作する映画のこと。
御年91歳。
その年齢で作品を撮ることも凄いが、普通に出演してしまうことも凄い。
それも派手なアクションもあって・・・。
派手ではないが小さなアクションも年齢を感じさせない。
いや、違うな。
年齢は感じさせるが、その動きはいつまでもクリントイーストウッド。
その存在感は変わらない。
僕らが求めていることにいつも応えてくれる。
しかし、その応え方は年齢や経験と共に変化する。
僕は本作を観て、クリントイーストウッドが優しくなったと感じた。
これまでのような強烈なインパクトやメッセージを感じることはない。
それは力を抑えているというよりはあえてそうしているように感じる。
自分と世間に過去の作品にも赦しを与える感覚。
自分へのオマージュではなく、彼の作品を好んできたファンへの感謝のようにも思える。
それが優しさ。
2000年以降の彼の作品は9割方観ている。
ここ10年は全ての作品を観ている。
年齢重ねるごとにいい映画を作っていると思わせる。
まだピークはこれから。
そんな錯覚を与えてくれる。
しかし、実際はそうではない。
周りの期待とは異なり、監督自身の向かい方が変わったように感じる。
ラストシーンがその象徴のように思えたのは僕だけだろうか。
本作に対しての評価は大きく分かれる。
傑作と絶賛する方もいれば、平凡な一本と酷評する方もいるだろう。
どちらも正解。
捉え方はそれぞれ異なる。
しかし、言えること。
もっとクリントイーストウッド作品を知らねばならない。
過去の作品を振り返り学ばねばならない。
本作の答えはそこにあるのではないか。
それって用意周到に組み立てられた演出?
事実だったら凄いな・・・。
なぜか優しい。
甘い言葉や態度を示すわけではない。
しかし、優しい。
こんな年寄りになれたら最高。
今回、映画の評論になっているかな?
多分、なってないよな(笑)。