小学校3年生の息子は、これまでの初心者向の少年野球チームを卒業し、先週から新たに地域の少年野球チームに練習生として加わった。
5回ほど練習に参加して、本人が納得すればチームの一員として正式に所属するのだ。
先週は午後からの参加のみだったので、それほど苦痛を味わう事もなく難なくこなしたのだが、問題は本日だった。朝8時という早い集合時間と友達も誰もいないことから、今週半ばあたりから「もう行かない!辞める!」と言い出した。
中途半端な態度を許しても、本人のためにはならない。今朝、起きようとしない息子を叩き起こし、半ベソ掻きながら嫌がる息子を無理矢理車に乗せ集合場所に向かった。そのうち、ふてくされていた息子も観念したのか、途中からは何も文句を言わなくなった。僕は集合場所に息子を降ろし、チームには同行せず自宅に戻った。
本日は練習と試合が一日通して行われる。息子は練習生のため試合に出ることはできず、声援とサポートに回る。あとはコーチに任せ、夕方迎えに行こうと帰ったのだ。
自宅でゆっくりしていると嫁さんに電話が入った。
内容は「急遽、息子が試合に出ることになり、それも先発ピッチャーだ。」ということ。相手チームとの手違いにより出場できるメンバーが変わり、メンバー不足のため息子も必要となったのだ。
ルールもそれほど理解しておらず、これまでのチームと雲泥の差のチームでの試合にいきなり先発で出ることはいかがなものかとも思ったが、これもいい機会と捉え、慌てて試合が行われるグランドまで足を運んだ。
これまでのチームは、基本的にバットにボールが当れば、まずヒット。そしてアウトは全て三振という実に分かりやすい試合内容だった。
ところが、本日のチームは違う。しっかりと野球になっているのだ。(当たり前か!)
そんなチームで、どれだけ迷惑を掛けるだろうかとヒヤヒヤしながら応援していたが、意外や意外、それなりのプレーをこなしていた。以前よりはストライクも取れるようなったし、真剣さも伝わってきた。残念ながら試合には負けてしまったが、その表情から息子も手応えを感じていたように思われる。
最後に監督から「来週も参加するか?」と言われ、コクリとうなずき、本日の練習生としての参加は終了した。
朝のあの嫌がり様は一体なんだったのか。子供の意向をそのまま受け入れ、参加を休んでいたら、このような一日を過ごす事はできなかった。
余程、お腹が空いたのか緊張から解き放たれたのか、外食先ではボリュームある味噌かつ定食を普通に平らげた。また、気分が良かったのか、帰宅後もずっと鼻歌を歌っていた。
一緒に風呂に入り、本日の感想も聞いてみた。
「フォアボールを出した後に、声援を送られると余計に緊張するんだよね。ピッチャーの気持ちをわかってないなあ~」とクソ生意気なことをほざいていた。
そうは思いながらも、そうか、やる気になってきたかと感心し、「明日の練習は雨で中止になるかもしれない」と言うと、うれしそうににやけながら「そうなの?」と返してきた。
う~ん、信用できない。キミのやる気はまだまだだな。
2011年3月20日