原題は「King Richard」。
主役ウィル・スミス演じる父親の名前。
僕はこのままのタイトルの方がいいが、それでは日本でのヒットは望めない。

社会派ドラマっぽくなってしまう。
明るい未来を匂わせる邦題の方がしっくりくるかもね。
「夢への計画」だとちょっと甘ったるいし・・・。
そう考えると映画のタイトルは難しい。

そんなことはどうでもいい。
本作は実話を基に制作。
もちろん実話通りでなく過度な演出もあるだろうが、より感動を生むのは真実のドラマ。
実際にこんな事実があっただけでドラマとしては成功。

それも歴史上の人物ではなく、ヴィーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹という
誰しもがイメージできるテニスプレーヤーだからなおさら。

僕は派手でワガママなテニスプレーヤーだと思っていたが失礼な話。
大坂なおみとの試合を見ちゃうとそう思っちゃうよね。
申し訳ありませんでした。
人を上辺で判断してはいけません。

この姉妹のお父さんであるリチャードは夢の実現に向けて筋の通った生き方を貫く。
その信念と行動力には感動し凄いと思うが、全て共感するかは別。
冷静に受け止めればかなり危険。
時に軋轢を生む。
無償でコーチしてくれた一流コーチをクビにしたり、
自分たちに都合のいい条件を強引に進めていったり。

それくらいの気持ちがないと目指す世界に辿り着けないのだろうが、リスクも大きい。
結果としてアメリカンドリームを引き寄せたが、これが万が一上手くいかなければ・・・。
アメリカにはそんな人たちがごまんといるかもしれないね。
その覚悟にはあっぱれだけど。

そうそう、本作も昨日に続き本年のアカデミー作品賞候補のひとつ。
またも「ドライブ・マイ・カー」のライバルを観てしまった。
本作は誰が観ても心温まる秀作。
それもハンディを克服する家族愛を前向きに描く。

「ドライブ・マイ・カー」のように暗くはない。
いかん、これは新たな強敵が現れたぞ。
「ドライブ・マイ・カー」が受賞した時に反発を抑える意味でも、
本作の日本でのヒットは不可欠。

何だか変なブログになってしまったが、
時間のある方は観てもらいたい。