ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したソフィア・コッポラ監督の映画「SOMEWHERE」
たまたま頂いたチケットで観たのだ。決して関心がないわけではないが、きっと自腹では観る事はなかった映画だろう。
でも、観て良かった。
男はいつまで経ってもダメなのが良く理解できた。
ファーストシーンの長回しは、ジムジャームッシュの映画を思い出した(全く違うかもしれないが)。確か今から25年位前の話だし。
モノクロかどうかはともかく「ストレンジャー・ザン・パラダイス」をイメージ。全然覚えてないんだけれど・・・。(ストーリーが進めば全然違うのはわかります。)
少し観て気づいたが、主役は人気俳優の設定。
だらしがないそのスケベ男優とその娘の交流を描いたほんわかしたストーリー。僕とは環境は異なるとはいえ、父親の心境として、このダメダメ男優の主人公には共感する。
時に切ない。そして、美しい。
いろいろ起こるが何も起きていないのがこの映画だ。プールサイドでシートを倒し、娘と一緒に日光浴を楽しむ。そこには洒落た会話や行動があるわけではない。ボーッとするだけ。結局、男はそれくらいしかできない。
これも切ない。
ここに書いていることは、さっぱり理解できないと思うが、少しだけ自分とオーバーラップさせて観ることができた映画であった。
くどいと思うが、やっぱり切ない。
2011年4月13日