今週の日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」はワイキューブ安田社長のインタビュー記事であった。今年の3月に民事再生法適用を申請した企業である。
このニュースが飛び交った当日は、少なからず我々の業界には衝撃が走ったはずだ。業界でも特異な存在として注目を集め、社長である安田氏はメディアを賑わせていたことも多かった。
ある時期、ワイキューブのビジネスモデルを真似る同業者もいくつかあったように思う。
僕自身は、課長か次長くらいのポジションの時に一度、ご挨拶させて頂いたくらいで、直接の面識はほとんどないと言っていい。役員や社員の方と交渉事があり、何度かやりとりはさせてもらったが、ちょうど上り調子であった時期でもあったため、その勢いをまざまざと感じたこともあった。
名大社とは異なる方向性や戦略だが、安田社長の講演CDを聴きながら、勉強させてもらったのも事実である。
しかし、そんな講演の中で「どんどん借金しろ!」という言葉に違和感を感じていた事も事実。それが正しいとは、その当時も思えなかったのだ。
結果的にその言葉と行動が自らの首を絞め、会社を倒産という最悪の事態に追いやったことが、今回の記事からも良く理解できる。
ここに書かれていることが全てとは思わないが、売上の同等額を福利厚生や人件費に費やしていたのは、経営判断として大きな疑問である。
それも戦略の一つなのだろうが、僕には到底できない打ち手だ。社員のモチベーションは、豪華な施設や高い給与だけではないはずだ。
ただ、そう言っている自分が正しいかどうかはわからない。全ては結果で証明されるだろうし・・・。「結果」からしか「原因」は掴めないのだ。
ワイキューブの倒産があったからではないが、新卒採用支援ビジネスが大きな曲がり角に来ていると今、僕は感じている。果たして今後、どれだけニーズがあるのだろうかと。
と同時に思う。この事業は世の中には必要だし、我々が果たさなければならない事も多いと。
今回の記事は、経営の難しさを感じると共に我々の業界のこれからを考えるいいきっかけにもなった。
2011年6月21日