ファミリービジネスを学ぶ者として多くのケースを知っておく必要がある。
本書もそう。
ここには15名の事業承継した女性の奮闘記が描かれている。
そのケースは様々。
幼少の頃から家業を継ごう思っていた女性。
無理やり家に戻された女性。
ふとしたキッカケで継ぐことになった女性。
おぼろげには感じていたんだけど・・・的な女性などなど。
地域も業種も規模もバラバラ。
共通しているのは今も事業が継続しているということ。
継続できているということ。
業界内で優位性にある企業もあれば、零細で家族経営に近い企業もある。
しかし、そこには歴史があり、先代の想いがある。
それを継ぐのは容易なケースは一つもなく、何らかの苦労が待っている。
紹介されている女性経営者はみな笑顔で平然とこなしている。
いやいや、さすが!
だから本書で紹介されているといえるわけだけど・・・。
女性の経営者、もしくは女性が会社を継ぐ割合は増えてきたとはいえ、まだ少ない。
日本の女性社長は2021年4月現在で8.1%。
これは過去最高で、1990年の4.5%と比較すると倍近く。
ただアメリカの中小企業では約3割が女性経営者だという。
そこと比較するとかなり低いと言わざるを得ない。
しかし、今後はそれも変わってくるんじゃないだろうか。
本書にも登場する諏訪社長や石坂社長が注目されたのもこの10年だし、
この類の書籍も考えられなかったし、意識的にもかなり変化してきたと思う。
僕の周りの女性経営者の方がむしろ責任感が強いと感じたりもする。
そうそう、本書には名古屋ファミリービジネス研究会でご一緒する丸山祥子さんも紹介されている。
そこも含め読んでもらいたいね(笑)。
いくら女性経営者が増え、かつ優秀だったとしても、僕が想像するよりまだまだ大変。
家業や事業に関わるかかどうかはともかく旦那さんの協力は欠かせないし、
子供が小さければ行動の制約は多い。
そうでなくても一般的に企業全体から見れば男性社会だし。
僕の所属する団体も女性会員はゼロだし・・・。
それも徐々に変わっていくのかな。
名大社はファミリービジネスではないが、最近は女性が幹部に登用される割合が高い。
いずれ社長が女性になるかもしれない。
僕のような鈍感な人間には分かり得ないきめ細やかな面もあるしね。
これからを楽しみにしたいね。
男性にも女性にも読んでもらいたい一冊。