今週も多くの方の話を伺って実りの多い一週間であった。
(肝心な仕事はちゃんとしているのだろうか・・・。)
21日(金)はあいち中小企業採用・定着支援プロジェクト「エム・タス」が主催する採用力向上セミナーへ出席。採用担当者向けのセミナーのため僕は本来であれば部外者となるが、ジオコスの伊藤社長の講演を聞きたく参加させてもらった。
テーマは「なぜウチの会社には、採用したい人材が応募しないのか?~求めるターゲットに響く採用広報~」という興味深い内容。
伊藤社長とはここ最近、懇意にさせて頂き、酒席の場でご一緒する事が多い。飲みの場でもいろんな事を勉強させてもらうのだが、今回はまた別の話。
人材採用の事業に関わる経営者の立場として、どうすれば自社の魅力を訴求でき、ミスマッチのない人材を採用できるのかが主たる内容であった。
これまでの培ってきた実績を元に、本当に企業が学生に伝えなければならないことは何なのかを実例を交え、話していただいた。
その一つにネガティブな情報をより具体的に伝える事が必要という項目があった。採用を実施する企業は、どうしても自社の魅力や強みばかりは強調したがるが、それではミスマッチを解消する採用には至らない。
いかにネガティブやデメリットとなる情報も学生に伝え、その情報でどうやって共感を得るか、逆にそれも企業の魅力の一部として感じさせられるかが重要であるという。そうすれば応募する側も覚悟を持って臨むことができる。
その表現方法や人選には、かなり気を使わなくてはならないが、確かに納得できる面は多い。
それを僕自身が実感した一つに伊藤社長とご一緒した仕事にもある。
今から12~13年前、僕がバリバリの営業の時に、あるクライアントで伊藤社長に求人広告の制作を手伝って頂いた。そのクライアントを訪問し取材。店長募集の広告のため、実際の店長を取材し、その方の仕事ぶりについて、かなりの時間インタビューを行った。
出来上がった広告は、その店長の修行時代の苦労話が大半語られていた。ほとんどが大変な仕事の中味。しかし、それが見事なコピーとデザインで仕上げられ、その辛い仕事が魅力的に感じ、とてもカッコよく映って見えた。伊藤社長の手によって、魔法に掛かったようだった。何も事実を変えることなく、忠実に仕事内容を伝えながら・・・。
クライアントの状況を理解しながらも、伊藤社長が目指す仕事への想いが十分に感じられる素晴らしい作品だった。
確かその時の反響も良かったように記憶している。
今回の講演ではそのネガティブ情報の活かし方も含め、多くの事例を話していただいた。
大手企業に比べ、知名度もなく待遇面でも劣る中小企業が魅力を伝えようとするならば、その働く人や仕事そのものをしっかりと理解させなければならない。そこに必ず共感者が現れるはずである。
我々はそれをよりアナログな手段で伝える事を重視しているが、伊藤社長のように多様でありながら実直な表現で学生を惹きつけることも重要だ。今回の講演で自分達がやらねばならないことを改めて認識した。
何だか人に教えてもらうばかりの一週間であったが、いつかは自分もその立場にならなければならない。
伊藤社長、ありがとうございました。
2011年10月23日