さよなら!僕らのソニー (文春新書) (2011/11) 立石 泰則 |
著者の立石氏はソニーへの思い入れが強い分、現ストリンガー体制に対してはかなり批判的だ。
ここに書かれていることが本当だとすれば、確かに寂しいし、日本を代表する企業であるソニーの見方も大きく変わるだろう。
グローバル化という言葉は、全世界を相手に戦略を構築するだけでなく、創業の精神から持ち得ていた魂を失くしてしまうことを言うのかもしれない。そう思わずにはいられなかった。
僕も著者と同様にソニーのブランド力は他の競合メーカーより格上の存在であったし、憧れの製品を抱えていると感じていた。
ウォークマンが流行った頃、僕は小遣いが足りず買う事が出来なかった。代わりにAIWAのウォークマンに似た製品を購入したような気がする。
性能は微妙にしか変わらないのかもしれないが、堂々と持つのが恥ずかしいような面もあった。それだけ確立したブランド力があったのだろう。そして、同時に中学生レベルの僕では認識できない「技術のソニー」らしさが製品の先駆者として盛り込まれていたのだろう。
企業は変化しなければならない。そうしなければ生き残れる時代ではない。しかし、大切に守り続けなければならないこともある。創業の精神や企業文化を大切にしながら、どう企業を変化させていくか。
それは僕の課題でもあるのと同時にソニーでもどんな企業でも言えるのではないだろうか。変化のために捨てる必要はあっても、全て捨てることではない。会社の歴史を含め価値観も捨ててしまうことではないと思うのだ。
今のソニーはそんな状態あるのだろうか・・・。
今回、僕が購入した液晶テレビBRAVIA。
この歳になって初めて購入したソニーのテレビ。残念なことかもしれないが、かなりお値打ちだった。(だから買ったのだけれど・・)
マーケットが現状をストレートに表しているのかもしれない。
それでも思う。
ソニーは憧れの日本のAVメーカーであって欲しいと・・・。