先週「ALWAYS三丁目の夕日64」を観た。
昭和の風景が一層の涙を誘う素敵な作品であった。この映画の冒頭のシーン。子供が飛ばした飛行機が街を駆け抜け東京タワーのてっぺんまで届く一連のシーンがワンカットで撮られている。
通常の撮影ならあり得ないが、VFX技術を駆使して見事な映像に仕上がっている。このシーンを観ながら、すごい長回しだと感じ、相米慎二監督を思い出した。
長回しを多用して有名なのが相米監督で、その彼のデビュー作が「翔んだカップル」。
主役は「三丁目の夕日」のお母さん役である薬師丸ひろ子である。何という偶然・・・。長回しで繋がっていたのだ。(かなり強引だな・・・)
僕は薬師丸ひろ子の一番魅力的な作品は「セーラー服と機関銃」や「Wの悲劇」ではなく、「翔んだカップル」だと思っている。
演技力であるとか作品のクオリティで言えば別の作品だろうが、「惚れてまうやろ~」というべき作品は、やはり「翔んだカップル」。
鶴見辰吾扮する田代勇介と薬師丸ひろ子扮する山葉圭の最後の絡みの長回しは何とも切ない名シーンである。
最後に見たのは20年以上前で(もっと以前に何回も観ている)、記憶も薄れているし、感受性も今とは随分違うと思うが、ときめいていたのは間違いない。
その映画に出演していた先の二人も尾美としのりも石原真理子も今は40代後半だから、かなりのオッサンオバサン。
みんな歳を取ってしまったが、薬師丸ひろ子は今でも輝いている。日本の正しいお母さんを見事に演じ、「三丁目の夕日」のハマリ役になっている。
高校生の役とお母さんの役。
それが長回しという共通点で、一人の女優の存在感を際立たせている。
興味のない人にはどうでもいい話だが、今回観た映画で僕がふと思ったことだった。
「翔んだカップル」をもう一度観てみたい。
TSUTAYAにあるかな・・・。
2012年2月9日