映画コラムニストは勉強熱心でなければならない。
それはより多くの映画を観ることだけではない。
周辺環境も押さえておく必要があるということ。

それが理由ではないが、最近、時間の許す限りオープンカレッジなるものに出席。
母校の教員によるリレー講座で、OBはありがたいことに無料で受講できる。

僕も大学で教える端くれとして他の先生の授業の進め方にも関心があったし・・・。
やはりいい点は盗まないとね。

今回ブログに繋がるのは「ハリウッドと中国」という講座。
今、ハリウッド映画の中国市場での割合は圧倒的。
ハリウッド映画の興行収入のうち中国が1/4という。
直近はコロナの影響があるものの、
ハリウッドはもはや中国に気を遣い映画を作らなければならない状況。

ダイバーシティの影響も大きいが、
ハリウッドのメジャー作品にはアジア系、中国系俳優の出演も多くなった。
「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督がアカデミー賞を受賞するのも関係なくはない。
そんなことは映画を観ているだけでは気づかない。
もっと勉強しないとね。

と、ようやく冒頭の写真の映画。
「ザ・ランドロマット パナマ文書流出」という2019年の作品。

本作はこの講座を受けるまで全く知らなかった。
一般公開ではなく、Netflixでの配信のため話題性も部分的。
監督はスティーブン・ソダーバーグ、主演はメリル・ストリープで超メジャー。

かなり社会性が強く政財界に対し批判的。
一時期話題になったパナマ文書流出の実態を暴いている。
それだけでも勇気ある制作陣。
制作陣は全世界に対して遠慮はしない。
その中でもNetflixはかなり自由度が高いようだ。

本作には中国の中心的な存在も描かれている。
徹底的に汚職を排除した習近平氏だが、そのあたりのことが・・・。
それが原因かどうか不明だが、本作は中国では観れない。
きっちり統制が図られている。

そんなことを講座で伺ったので、必然的に本作を観ることになった。
どこを向いて映画を製作するか、
その作品がその国にどう受け入れられるか、
グローバルになればなるほどその視点が必要。

映画も社会勉強のひとつ。
とっても参考になりました。

映画の内容にはほとんど触れていない(笑)。
サクッと観れるので、時間のある時にぜひ!