マネーボール [DVD] (2012/03/21) ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル 他 |
戦略の立て方、戦術の組み方はビジネスに通ずる面もあるだろう。弱小の組織が大きな組織に打ち勝つためにすべき手段が盛り込まれている。
全然違う表現だが、ドラッカーの「強みを生かせ」ということだ。
日本に当てはめれば、野村監督がヤクルトや楽天で展開した野球に近いのかもしれない。データを重視しながら、選手のモチベーションを上げ、金満球団に挑んでいく。その姿は似て異なるが・・・。
そうなるとこの「マネー・ゲーム」のような映画を日本で創ってもよさそうだが、そんな簡単ではないだろう。
まずあんな大リーグ選手と変わらないような俳優を使い、リアルに演じさせるのは到底無理。そんなシーンは白々しく映ってしまう。
そして、本当の試合を感じさせるようなスタジアムを描くのも難しいだろう。
(あの映画は全て演出なのかな。さすがだな・・・)
現代のVFX技術を駆使すれば何とかなりそうだが、それはそれで250キロのスピードボールが投げれそうな完全フィクションの世界。企画段階では面白くても、実現可能性が低いのが日本の野球映画になるのかもしれない。
本作とは全く関係のない事ばかり書いているが、僕はこういった人間ドラマとスポーツのリアリティが融合した映画は好きだ。主人公への感情移入もしやすい。人との駆け引きも面白い。
ブラッドピット扮するGMの男気も好感が持てるが、この映画はハッピーエンドで終わったかと言えばそうではない。最終的に主人公は成功を成し得ていないのだ。結果的に引き抜きを試みたレッドソックスは数年後、優勝しているし、他球団もこのスタイルを模倣したという。
それでもビッグマネーが飛び交う大リーグに一石を投した事には大きな価値があると思うし、そうせざる得なかったとしても、その挑戦は素晴らしい。僕も思い切った戦略を打ち立てられる人物になりたいものだ。
結局は映画の感想とは全然違う方向に進んでしまったが、気持ちのいい映画であったのは間違いない。