日本で公開されたのは2021年。
当時はあまり意識していなかった。
この一年で僕の韓国映画の見方が変わった。

本作が昨年あたりの公開だったら、劇場まで足を運んでいたかもしれない。
テーマ的に注目していた。

韓国映画は遠慮なしに事実を描く。
日本では到底難しい題材も真正面から抉る。
そこは見習うべきだと思うが、
簡単にそんなことができない事情もあるのだろう。

昔から韓国の政治は闇が多い。
(何も知識は持ち合わせていませんが・・・汗)
昨年見逃した「キングメーカー 大統領を作った男」も想像するに
闇を描いているだろうが、本作もそう。

そもそも韓国は大統領が殺されたり、拉致されたり、
退任後、逮捕されたりとネタが豊富。
そんな表現は失礼だと思うが、恰好の映画の題材になる。

いずれ日本でも昨年起きた事件をいずれ映画化されるかな?
仮に映画化できても30~40年後かもしれないね。
その時はもう生きていないか(笑)。

本作は1979年に中央情報部(通称KCIA)部長に朴正煕大統領が暗殺された事件を描く。
映画を素直に受け止めれば事件を起こした部長はむしろ正義。
病んだ韓国政府に翻弄されながら、自らの正当性をぶつける。
そのぶつけ方に問題はあるが、同情する声は多いだろう。

しかし、同情は同情。
実態が変わらなければ成長はない。
映画はそんなことが言いたかったのではないか。

大きな権力は人を変える。
大きな裁量権が人を誤った方向に向かわせる。
無責任にいえば、その繰り返しが行われているのが韓国ではないか。
映画はそれを全世界に披露することで歯止めをかけようしているのではないか。
そんなふうに考えたり・・・。

映画で歴史や倫理観を学べるのはありがたい。
当時の韓国の街並みや住まい、食事もあんな感じなんだろう。
それにしてもお酒の飲み方は豪快。
あれは酔ってスベって転んだんだよね・・・。

理想を求めることは必要。
理想を叶えた後、どうすべきか。
その理想を守り抜くのは難しい。

そんなことを感じた映画だった。