日本企業の中で同族企業の代表格といえばサントリー。
これまでもいくつかの書籍を読んできた。
創業者鳥井信治郎を学ぶなら「琥珀の夢」
二代目社長佐治敬三を学ぶなら「佐治敬三と開高健 最強のふたり」
この2冊を読むだけでサントリーという同族企業の魅力が理解でき好きになる。

そして、今回の本書。
正式なタイトルは「世襲と経営 サントリー・佐治信忠の信念」。
四代目社長佐治信忠氏の経営論が中心だが、サントリーという会社が更に魅力的に映る。

僕はただの酒好きで、プレモルも山崎も角ハイボールもレモンサワーも好きだ。
今は機会は減ったが元々バーボン好き。
ジムビームも好きだし、バーボンではメーカーズマークが一番美味しいと思っている。
スコッチもラフロイグやマッカランも好きなんだ。

これらも全てサントリーの商品。
愛好家じゃないか・・・。

いやいや、お酒の紹介をしようとしているのではない。
ここではファミリービジネスアドバイザーの端くれとして、
本書で紹介される同族企業の重要性を伝えようと思っているのだ。
といってもこのブログで全て紹介するのは無理。
読んで内容を確認してもらいたい。

創業以来、大切にする考えが今の今まで生き続けていることに素直に感動。
それは言葉に表れる「利益三分主義」や「やってみなはれ」の実践がどの分野にも浸透していること。
創業家ではない新浪氏への社長打診やビーム社の買収、その他の事業においても一貫している。

そして何よりも創業家と社員さんとの信頼関係。
離職率の少なさがそれを物語っているが、
社員さんの子供の入学時に社長名でランドセルを送るなんて、知らなかった。
これだけの規模でもそれを続けられるのは非上場の同族企業ならではの行為だろう。

本書は佐治信忠氏を中心に書かれているが、後継者候補の鳥井信宏氏もインタビューに答えている。
こちらもジーンとくる。
信宏氏は僕と同じ1966年生まれ。
早生まれなので学年は一つ上だが、同じ年に生まれてもこんなに差が出るものか・・・。

まあ、当然といえば当然ですね。
同じだと困るよ(笑)。

同族企業として先々を考えれば難しい問題もあるが、今後も楽しみなのは間違いない。
山崎18年のロックを飲みながら見守りたい。
最近、飲める機会はないけどね。