舞台は豊田市か・・・。
映画が始まって10~15分のところで役所広司が演じる陶器職人 誠治の車が映し出される。
その車は豊田ナンバー。
この時に映画の舞台が豊田市であることが分かった。
警察もパトカーも豊田なので明白になっていくが、
なぜ豊田かは理解できる人とそうでない人と分かれる。
本作は様々な人種や文化、生き方を描いた人間ドラマ。
先日の「とべない風船」も人間ドラマだし、なぜか続くね。
人種は在日ブラジル人が中心に描かれる。
そのブラジル人が住む団地は想像するに保見団地。
実際、多くの方が住んでいる。
僕は行ったことはないが、映画に近い雰囲気だろう。
本作では半グレの日本人とブラジル人の諍いが繰り広げられるが、
今から十何年か前にはそんな諍いがあったようだ。
僕らはどうしても日本人を擁護するが、それも一方的な見方。
彼らの置かれた境遇を理解せず、自分たちの都合で勝手な解釈を行う。
減少傾向に向かっても根深い問題は終わることはない。
ここではいくつかの「家族」が描かれる。
映画が持つ重要なテーマ。
十分に理解でき、考えさせられる。
ただ何もできない。
傍観者に過ぎない。
作品はそこを抉ろうとしているのか・・・。
半グレのリーダーはMIYAVI演じる榎本。
地元の不動産からレジャー産業、風俗まで手掛ける企業の御曹司という。
僕なんかは豊田のどこの会社だろうなんて、どうでもいい事を勘ぐったりする。
実際、近い会社は存在するのかな(笑)。
それにしてもMIYAVIは「ヘルドックス」のイメージのまま。
う~む、こっち方面に進んじゃうの?
映画の紹介では豪華俳優陣が惚れ込んだ物語と書かれている。
確かにそう。
感動作であるのは間違いない。
しかし、描き方がきれいすぎると感じた。
息子役の吉沢亮の立ち振る舞いは立派過ぎる。
僕はむしろ「とべない風船」の弱さに共感を覚える。
それは観る人を次第。
そんな意味でも年明けの日本映画は話題作が続く。
見比べながら「家族」の在り方を考えるのもいいかもね。