6月28日に放映された「カンブリア宮殿」をようやく見ることができた。
この時のゲストがJALの稲盛名誉会長と植木社長。ドラマであれドキュメンタリーであれ番組を録画してまで見ることはほとんどないが、たまには録画番組を見ることもいいことだ。今回は特にそれを感じた。
「カンブリア宮殿」も久しぶり。最近は何となく企業の宣伝の要素が強くなっている気が勝手にしてたし・・・。
番組ではJALの破綻から2年が経過し、前期の利益が2000億円を超えるまでの復活劇の軌跡を克明に流していた。
稲盛会長のメッセージや思い、それに向き合い奮闘していく社員には熱いものを感じた。書籍でしか知る由がなかったアメーバ経営やフィロソフィの実践も映像を通して理解することができた。「美しい心」や「一人ひとりがJAL」というJALフィロソフィも素晴らしかった。
全てが稲盛イズムが伝わる構成になっていたと思う。その点では大いに勉強させてもらったし、経営者の端くれとして何を大切にしなければならないのかを改めて痛感した。
と同時に親方日の丸と言われる所以も、大企業体質も感じ取れる面も多かった。
破綻した段階で人件費の大幅カットやコスト削減、リストラが実施されたわけだが、本来は赤字が慢性化した時点で、それを実施するのが企業の姿で、遅すぎる決断だと思ってしまう。
それは中小企業のひがみなのかもしれないが、破綻前にメスが入れられていなかったことに違和感を感じた。だから結果として破綻のだろうけど・・・。
パイロットの通勤手段についても、いくら重責だからとはいえ、もっと早い段階で見直しが行われる必要があったはずだ。危機感の欠如というのは本当に恐ろしいこと。特別意識はないかもしれないが、大局的に物事を判断することを避けてきたのだろうかと勝手に推測してしまった。
しかし、それはJALのみが対象ではなく、自社の事としても捉える必要はある。自分たちの世界ではぬるま湯と思っていなくても、知らず知らずのうちにどっぷり浸かってしまうことも考えられる。常に自分たちを客観的にかつ厳しめに評価しなければならない。
本来は稲盛会長の具体的な施策について書くつもりのブログだったが、違う方向に行ってしまった。まあ、いつものことか・・・。
最後の村上龍氏の視点も良かった。
JALが2年で復活を遂げたとはいえ、本当の答えが出るのは5年後であると・・・。
5年後が楽しみである。
そして、ほぼ同じタイミングで読んだ本書。
稲盛氏は経営者に対しても愛は満ち溢れている。
2012年7月16日