あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ (日経WOMANの本) (2011/11/28) 村木 厚子 |
同級生経営者の櫻山さんが推薦していたので手にした一冊。
知り合いがおススメしなければ、自ら読むことはなかったと思う。自分で選ぶ本はどうしても偏ってしまうので、知り合いの意見を聞き参考にしなければならない。
現に今年読んだ本の中で女性の著書は「破壊と創造の人事」(楠田祐、大島由紀子共著)があるだけで、それ以外は見事に男性の作品。なんて視野の狭い人間。気が付かなかった・・・。
著者は郵便不正事件で巻き込まれた官僚。
当然ながら僕はマスコミの報道で、その顛末を知るくらいで、検察って恐ろしいなあ~と感じていた程度。しかし、本当の恐ろしさはその当事者しかわからないこと。本書の半分近くはその検察とのやり取りが書かれている。
その壮絶な状況は、もっと深く切り込んでもよさそうではないかと思ったが、現時点で書けることは本書が限界なのかもしれない。
著者の視点はあくまでも女性で、今後キャリアを積み重ねたい方にエールを送っている。そのため作品の半分は著者の仕事の半生が著されており、事件にだけ関心がある人にとっては物足りないのかもしれない。だが、仕事の半生があったからこそ、事件を乗り越えられてきた強靭な精神力を感じさせ納得させられる。
人は仕事を通じて、もっともっと苦労しなければいけないのだ。
巻末資料には著者が勾留生活164日間で読んだ149冊の書籍が紹介されている。ほぼ一日一冊。佐々木譲から塩野七生、稲盛和夫まで・・・。幅広い見識が窺える。
沢木耕太郎は「危機の宰相」。そういえば、この作品読んでいないな・・・。