金曜の午後から京都で過ごし、昨日の夕方に帰宅。それまで新聞は読めずにいた。ゆっくりと中日新聞を広げると目に飛び込んできた文字。
「ソニー美濃加茂工場閉鎖へ」
少なからずショックを受けた。
日々のニュースでソニーの不振は当然のように理解していたが、身近な存在であった美濃加茂工場が閉鎖される記事は僕にはかなり大きな衝撃。
僕にとって大切なクライアントであり、大変お世話になった会社だったからだ。
元々はソニー美濃加茂という100%出資の単体の企業であったが、その後、製造子会社が統合されソニーイーエムシーエスとなった。主力製品はその時代により変化を辿っているが、最近は携帯電話やデジタルカメラの製造を行ってきた。
僕の認識では美濃加茂工場は製造子会社の中でも比較的堅調だと捉えていただけに、今回のニュースのショックは大きかったのかもしれない。
この美濃加茂工場に初めて訪問したのは、確か入社3年目の頃だと思う。
飛び込みで訪問したわけだが、全く相手にされず、アポイントを取って訪問するも箸にも棒にもかからない時期が随分と続いた。そんな状況もあって、縁遠くなった期間もあったが、継続的に訪問し担当者と人間関係を築くことで、初めての訪問から10年後くらいにようやく取引を頂けたと記憶している。
美濃加茂工場が好調だったことも手伝い、それからはかなりの仕事を頂けるようになり、僕の大きな売上を占めるクライアントにもなった。自分自身の立場が厳しい時に助けても頂いた。自分を育ててくれたお客様と言っても過言ではない。
そんな想いもあり、昨日の新聞記事は非常に残念だった。
その残念さは僕だけの問題ではなく、岐阜県美濃加茂市にとって大きな損失であり、深刻な問題でもあるだろう。この美濃加茂工場が生み出す雇用は、この街の中では相当なボリューム。周辺には派遣会社も多く存在したし、外国人労働者の割合も高かった。地域経済にとって欠くことのできない存在であったのは間違いない。
リストラの一環でソニーの生き残りを考えれば、正当な判断になるのかもしれない。しかし、ロジカルに考えることは難しく、感傷的になるのも事実。僕がお手伝いをさせてもらったことも、今となっては正しいかどうかも疑問だ。いろんな方の顔も浮かんでくるし・・・。
大きな資本の決断がもたらす影響の大きさをまざまざと感じた昨日の新聞であった。
2012年10月21日