経営者としての課題図書であり、自分自身が必要とすること。
そんな思いで読んだ一冊。
一般的に日本のビジネスパーソンは世界的にみて学びが少ないと言われる。
大学までは勉強するが、社会人になると勉強を止めてしまう。
それを当然のように考える人もいる。
正直、僕も30代半ばまではそんな感じだった。
ビジネス本は読んでいたものの、何かを真剣に学んだわけではない。
運よく30代半ばで危機感を持ったので、勉強するようになったが、
数年遅かったら手遅れだった。
本当に勉強をしている連中からすれば全然足りないが・・・。
あくまでも学びは主体的。
会社から要請されたわけでも教育制度があったわけではない。
自分で勝手にやっただけ。
やらされ感では自分のものならないと思うし・・・。
学ぶ奴が学べばいいし、学ばない奴は学ばなくていい。
基本的な考え方は変わらない。
しかし、それではマズいというのが今の日本の状態。
そして企業の状態。
強いていえば自分の状態でもある。
エラそうに勉強してきたといっても、最近どうか?を聞かれれば答えに窮す。
大したことはやっていない。
30代半ばで感じたような危機感を持つようになってきた。
当時と違うのは上昇志向。
昔はもっと偉くなりたいと努力をしたが、今はそんな感じはない。
上昇志向がなくなっている。
それが厄介。
気持ちやヤル気だけで学びを求めることが難しくなっている。
ただ僕は少なくともこれからの時代に通用したい。
必要とされる人材でありたい。
それは学ばない一定の世代も同じはず。
だからこそ「仕組み」が必要。
「個人」ではなく「組織」で取り組みを検討する。
そのための方法が本書には著されている。
経営者や人事担当、教育担当は当然のことながら、
当事者になり得る方々も知っておいた方がいい。
やるか、やらないかは別の動きも伴うが、現状を理解するのは大切。
経営者も自分事として捉えた方がいい。
その方が「仕組み」化した場合でも浸透度は増すだろう。
本書には「リスキリング」を支える3つの学びがあるという。
アンラーニング=捨てる学び
ソーシャル・ラーニング=巻き込む学び
ラーニング・ブリッジ=橋渡す学び
詳しくは読んでもらえば理解できるが、僕自身が納得したのもこの点。
ラーニング・ブリッジは僕が参加する経営塾で互いに話すことにも近い。
それは大きな学びになる。
いい年齢になると誰しもが「成功体験」を持つ。
その成功体験が曲者。
世の中をアッといわすような体験ならともかく、大概は中途半端な成功体験。
そんなものに縛られている人も意外と多かったり。
それこそ捨てるべきこと。
そして学び直すこと。
自戒を含め、参考になった1冊。
経営課題であり、自分自身の課題だね。