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(2013/04/12)
藤田 晋

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前作「渋谷ではたらく社長の告白」と本書とどちらが面白かったかと言えば、僕の場合、前作になる。
これは本書を否定しているのではなく、自分の置かれる環境の変化に左右されているものと思われる。あくまでも自分の中でそう感じるだけで正確かどうかは定かではない。
サラリーマンだった8年前と現在の自分の立場の差がそうさせているようにしか思えてならないのだ。藤田氏の修羅場のくぐり方と僕とでは雲泥の差があるが、少なくとも修羅場をくぐったという事実を背景にすると、以前より自分に与えるインパクトが薄らいでいる気がする。
もしかしたら世の中の出来事に不感症になったつまらない人間なのかも・・・(笑)。と言っても、大した経験はしてないけど。
本書を読むと経営者の苦悩がよく理解できる。メディアに登場するオモテの顔と社員にも見せないウラの顔。逆の方が正しいかな・・・。
特に著者のように頻繁にメディアに登場し何かと話題となる存在であれば、オモテとウラがよりはっきりする。信用力強化や資金調達での重要性は十分認識しているが、公開企業なんて余計な仕事ばかり増えるような気がしてならない。
上場したいと言ってもできないから問題ないが、上場企業のトップは周囲に振り回されるばかりでロクなことがないと思えてならない(魅力があるのも承知してますが・・・)。しかし、そこも含めて立ち向かうことこそが上場企業のトップの役割であり、藤田氏の存在価値なのだろう。
苦悩と戦いながらも、自分の信じることでやり抜く精神力と行動力には感服するし、結果として周囲に与えている影響力の大きさは人間力の表れだろう。僕よりも随分年下だが学ばなければならない面は多い(当たり前な話だ)。
アメーバピグなんて定着して随分経過していると思いがちだが、それほど歴史があるわけでもない。うちの娘なんてアメーバピグがない生活は考えられないと思うが、まだ最近のことだ。そう考えるだけでもこの分野のスピードは凄まじい。一人の天才が現れただけで、数年後には業界が一変してしまう。変化を知り、素早く対応することを常に心がけなければならない。
それにしてもアナリストの言う事はほんとアテにならない。藤田氏のアメーバ事業を酷評していたかと思えば、黒字化した途端、手のひらを返したような発言に・・・。一番、いい商売かな・・・(笑)。
本書を読んで一番感じたこと。
藤田氏は身を持って示している。諦めなければ、いつか願いは叶うと・・・。