昨晩は10年以上お付き合いある方との会食。少し前に会社の役員を退任された案内を頂いたのが、そのきっかけとなる。
その方は東海地区で初となるガーデンウェディングを立ち上げられ、その後、起業。ブライダル事業を中心に積極的に展開された創業社長で業界内では有名な方。
当時から営業担当として採用のお手伝いをさせて頂いたわけだが、そんな方と2人で飲めるのは本当にありがたいこと。それだけでも感謝すべきだが、昨日は貴重な話を数多く伺うことができた。
昨年、その創業された会社は業界最大手の会社にM&Aされたわけだが、その背景には凄まじいドラマがあった。ご本人は40億あった個人保証もなくなりハッピーリタイアと仰られるが、心中を察するに複雑な想いであることは間違いない。会社は順調に伸び、社長を信頼する従業員を数多く抱えられてきたわけだから・・・。
ここでは多くの事を語れないが、私腹を肥やした役員に対して解任を迫った結果、その役員が自分の子飼いの役員を味方につけ、社長を逆に解任するというドラマのようなとんでもないことが起きたのだ。その後、その方は取締役として残るものの、会社は大手の傘下となり、組織も大きく変わらざる得ない状況に・・・。この3月にその取締役も辞任された。
しばらくはのんびりされるということだが、僕はいずれ復活されると強く思う。その手腕を世の中が見過ごすわけではないし、僕自身も期待したい。
こうした話を伺いながら思うのは、会社は一体誰のものかということ。その方はワンマン経営を避けるため、経営のリスクヘッジをするために、権限委譲をしたわけだが、結果的に自分の望む方向とは別の道に進んでしまった。それが信頼できる人であっても、持った権力ではき違えてしまうこともあるだろう。会社が大きくなればなるほど、その可能性は高い。だが、そこには懸命に働く従業員もいる。
中小企業が圧倒的に同族経営が多いのもそれが理由なのかもしれない。会社は一体誰のものになるのだろうか。当然経営者の持ち物ではない。社会の公器であるというのはよく言われること。しかし、その理想を関わる方全てが全うするのは難しい。
そんなことを考える機会を頂いた昨日に感謝。本当にありがとうございました。
「世の中は金だ。金が悲劇を生む」。
これはドラマ「ハゲタカ」で必ず出でくる言葉だが、そうならないようにしなければならない。
2013年5月1日