旅の窓 (2013/04/26) 沢木 耕太郎 |
気分転換にさらりと読める一冊。著者が世界中を周り、その時に出会ったシーンを写真に収め、エッセイを残している。それは中国であり、東アジアであり、ヨーロッパであり、アメリカであり、まあ全世界だ。
そんな全世界を旅して、その時に感じたことを思うまま書ける職業とは何ともうらやましくもあるが、きっとそれは表面的にしか見ていない証拠だろう。
書いてあるのは実に他愛もない日常。普段の光景と普段の生活がにじみ出ている。著者もその場面での感情が異なるのか表現にも違いがあるように思う。軽く流せるエッセイもあればそうでないエッセイもあって・・・。
著者はプロのカメラマンではない。でも、素人の僕が見てもプロとの違いはわからない。本書に掲載されている写真がプロの作品であると言われれば、何ら疑うことはない。しかし、プロから見ればアマチュアの域なのだろうか。
僕は本書を岡山への出張の際、新幹線で読んでいた。東京に出張する時の風景はすでに見慣れた風景だったりする。それが反対方面になるとその感じ方は違う。
京都あたりまでは何度か目にしているわけだから目新しさはないが、大阪を越えると途端に新しい風景が目に入ってくる。本を読んでいるわけだから、ずっと眺めているわけではない。時々、ぼんやりと見る程度。それでも新鮮なのだ。
僕の「旅の窓」と沢木氏の「旅の窓」とでは雲泥の差はあるが、なぜ沢木氏が旅先で写真を撮りたくなるのかは何となく分かるような気がした。そして、思った。ちょっといいカメラが欲しいと・・・。
一眼レフの高級品は使いこなせないが、せめてモックンが宣伝しているカメラくらいは・・・。facebookやブログ用にスマホで写真を撮っているだけでは、本当にいい絵は撮れないのかな。
最近はスマホのカメラも優秀なので、それは単に腕の問題だとは思うのだけれど。