内田けんじ監督作品は面白い。商業映画で公開している「運命じゃない人」も「アフタースクール」も全て面白い。
派手な演出やアクションがあるわけではない。壮大なストーリーでもない。しかし、オープニングシーンから引き込まれグイグイと作品にのめりこんでしまう。上質なコメディ映画というのはこんな作品のことをいうのだろう。
脇役陣もスパイスが効いているとはいえ、登場人物は堺正人、香川照之、広末涼子のほぼ3人。それぞれの個性が絡み合って進行していくストーリーは全く展開が読めずハラハラする。コメディにも拘らず緊張感たっぷりなのだ。
何となくラストは予想できるが、それも監督の手のひらに踊らされているようで心地いい。幸せな気持ちになれるのも嬉しい。こんな日本映画の存在って、この先も大切だろう。特に最近は絶望的な映画が増えているような気もするし・・・。ちょっと褒めすぎかな?(笑)。
それにしてもこの内田監督。4年に一度くらいしか映画を撮っていない。周防正行監督も何年に1本しか撮っていないが、作品はかなりヒットしているし、奥様も草刈民代さんだから生活の心配はないだろう。
内田監督の作品もそれなりにヒットはしているだろうが、4年間他の仕事をせずに暮らしていくのは難しいのではないか。余計なお世話でどうでもいい話だが、つい心配になる。この精巧な脚本を仕上げるには相当な時間を要すると予測できても、そんなことを思ってしまうのだ。
それが理由ではないが、もっと作品を作って欲しい。名古屋での公開もどこまであるかわからないが、複数の映画館で上映してもらいたい。一部のマニアに留めておくのはもったいない話だ。
こんなブログを書いているうちに過去の作品もまた観たくなってきた。ちゃんとDVDは置いてあるかな・・・。
2013年6月15日