描かれているのは第二次世界大戦末期の1944年。
「ゴジラ−1.0」に近い(笑)。
これが実話なら凄すぎる世界だが、さすがにあり得ない。
主人公がターミネーターかダイハード並に強すぎる。
いや、もしかしたらこの2人よりも強いかも・・・。
映画を観て、そんなことを感じた。
アクション映画はハリウッドが主役だが、最近は韓国やインドの台頭が目立つ。
それだけじゃない。
もしかしたらフィンランドもその国の一つかもしれない。
そもそもフィンランド映画って観る機会がない。
今年観た「コンパートメント No.6」が初めて。
僕の勝手な印象だが、タイトルの置き方や表現は時代を感じる。
途上国の雰囲気が残ると思うのは単に思い過ごしか・・・。
戦争映画は自国が舞台だと相手国との関係性がよく理解できる。
日本やドイツやアメリカが舞台ならものすごく分かりやすい。
ではフィンランドはどんな立場か。
無知な僕はフィンランドがどっち側なのかも、どう巻き込まれているかも知らない。
映画を通して国の立場を理解することになる。
本作は完全無敵の爺さんがナチス軍をメタメタにする物語だが、
ドイツの描かれ方をみればフィンランドが抱く感情は少なからず分かる。
どうみても悪い連中でろくでもない軍隊。
本作を観てすっきりしたフィンランド人は多かったりして・・・。
それにしても主人公の老兵コルビはタイトルにあるように不死身。
普通の人間ならとっくの昔に死んでいるがその度に復活。
それはヒーロー物の超人ではなく、あくまでも人間。
体はボロボロで傷だらけ。
自分で治療する姿は目も当てられない。
かなり残酷。
ほぼセリフはなく、感情と行動だけで観る者を引っ張る。
たまにはこんなストレートな映画を観るのもいい。。
タイトルにある“SISU(シス)”。
フィンランドの言葉で正確には翻訳不能。
すべての希望が失われたときに現れるという、不屈の精神を意味している。
解説のまま引用(笑)。
映画の中でもそんなセリフがあるが、日本でいえば大和魂的な言葉か。
映画を通して国を学ぶことは多い。
バイオレンスアクションでもそれは同じだった。
やはり多くの国の映画を観ないとね。