永遠の0 (講談社文庫) (2009/07/15) 百田 尚樹 |
今更、僕がブログで書評を書く必要性もないだろう。100万部を突破したベストセラーだし、今年には映画化もされるほどの作品なので、あえて取り上げる必要もないと思ったが、あまりにも周りの方に勧められた作品なので、それにお応えする意味でアップしたい。(何だかイヤらしい性格・・・)
百田尚樹氏の「海賊とよばれた男」を読み、「ヨカッタ!」とほざいている時に多くの方に勧められたのだ。本書の存在は知ってはいたものの、さしたる興味もなくこれまで過ごしてきた。小説自体をあまり読むことはないし・・・。
読む小説もビジネスを前面に押し出した書籍ばかりで(海賊とよばれた男もそれに近い)、ここ最近、この分野を読むことは全くといっていいほどなかった。
しかし、たまには読むものですね。人のおススメは素直に聞き入れるものですね。それが今回の感想。
読んでおくべき一冊だと読後、じわっとくる気持ちを抑えながらそう感じたのだった。
歴史認識はいろいろあると思う。ある人にとっては正解でも、ある人にとっては全面否定ということもあり得るだろう。本書においてもそれは言えると思う。
だが、それを超える人間の尊さは世代を超え、時代を超え、我々にとって重要な意味となる。僕は決してしないけど、僕の知人は思わず奥さんを抱きしめたそうだ。僕は決してしないけど、その気持ちはよくわかる(笑)。
僕が感服したのはその綿密な歴史検証とストーリー展開。
「海賊とよばれた男」ようなタッチで描かれていると勝手に予測をしていたのだが、完全に裏切られた。それもいい意味で完全に裏切られた。
本書を読んでも号泣しない僕は冷めた人間かもしれないが、何を大切にして生きていくべきかは教えて頂いた。生命の重さを含めて・・・。