経営者にとっては辛い書籍。
日本企業では「やる気の無い社員」の割合が70%に達し、「熱意溢れる社員」の割合はたった6%。
そんなデータが示され、その原因は企業のトップにあるという。
自社は該当しないと思いたいが、こんな数字をぶつけられると経営者としては非常に辛い。
そして、だから日本の企業は生産性も低くダメなんだと非難を浴びる。

経営者の端くれとして反発する面と反省する面と介在。
また、本書で書かれている内容に共感する面と批判する面も介在。
責任を認めつつも、現実問題としてどうなんだと反論したくもなる。

確かな実績を上げ続ける経営者から言われるのであれば、納得せざるを得ない。
しかし、単なる評論家や何の実績もない無責任な外野から言われると腑に落ちない。
人間が小さいのかな(汗)。

世の中にはとんでもない経営者が存在するのも事実だが、ほとんどは懸命に経営に向き合っている。
結果を出なければ市場から追い出されるだけ。
至ってシンプル。

本書ではコストカットが日本の成長を止めた要因だと責めている。
否定はしない。
しかし、それはこの状況下だからいえること。

その当時は賞賛もしていたし、恩恵も受けていた。
僕でも厳しい時にはコストダウンの努力をしバランスを保ってきた。
安価で提供されることでラクになったことも事実。

特に飲食なんて分かりやすい。
僕が学生時代の牛丼の価格とほんの数年前までの牛丼の価格はほぼ変わらない。
そこには相当な企業努力があったからこそ成り立った。
単に値下げ要求をしたのではなく、様々な改善を繰り返し実現できたこと。

その行為を全否定されると悲しくなるし、文句もいいたくなる。
言わんとすることは理解できなくはないが、違和感も感じる。

一方で会議のための会議や過度なマイクロマネジメントなど、
無駄な仕事がやる気を失わせることには大いに共感。
無意味な書類もなくていい。
それは小さな仕事だが大きな仕事でも同じ。

おかげさまで前例主義がはびこる会社ではない。
必要ないと思えば、どんどん変えていくことができる。
変化を繰り返しながら会社は55年生きてきた。
これからもそう。
次世代の社員を育て、彼らに活躍してもらうしかない。

うちのような小さな会社でやる気のある社員が6%しかいなかったら、とうに消えている。
やる気があるのにその程度かと言われれば言い訳できないが、会社の源泉は「やる気」。

まとまりのないブログになってしまったが、本書は反面教師として捉えておきたい。