1ヶ月ほど前に試写会で鑑賞。
あくまでも仕事の一環というわけね。
ちょくちょく試写会にご招待いただき、都合がつく限りお邪魔している。

今回はいつもと明らかに雰囲気が違った。
映画関係者というよりは音楽関係者。
それもレゲエ音楽関係者(そんなジャンルがあるかは知らんが)が多いように思えた。
両隣も普段では接することのないタイプ。
業界内の話題性が高いという表れだろうか。

ここ最近、実話をベースにした映画を観ることが多い。
「RHEINGOLD ラインゴールド」であり、「アイアンクロー」であり。
音楽でいえば「ボヘミアン・ラプソディ」以来。

「ボヘミアン・ラプソディ」はクイーンを聞いていたので入り込みやすかったが、
本作は正直なところそうではない。
もちろんボブ・マーリーの存在は知っている。
しかし、70年代に彼の曲はほぼ聞いていない。

レゲエに興味が湧かなかったのが理由だが、
映画を観て感じたのは、もっと背景を理解しておけばよかったということ。
70年代から80年代にかけての田舎小僧のアタマでは到底無理だけど・・・。

本作はボブ・マーリーの36年の生涯を描く。
ジャマイカという政局が不安定な小国に翻弄されながらも、自分の生き方を貫き通す。
政治闘争に巻き込まれ、暗殺未遂事件があってもブレることはない。
曲を通して発信し続けるメッセージは今の時代にも通じる面はある。

だからこそ時代が変わっても存在感はあり、人気も続く。
こうした伝記映画も制作される。
与えた影響力は大きいわけだ。

それは最初から備わっていたわけではない。
音楽に興味を持ち、奥さんになるであろう少女と歌いながら培っていったこと。
そこに向かう動機は至ってシンプル。

大物もその辺の音楽好きも大差はない。
もちろん才能が備わってのことだが、ある意味、環境が後押ししたともいえる。
どんな時代でも生み出す価値は必然で、それが時代の寵児となる。
そんな気がしてならない。

本作をキッカケに新たな可能性を見出す連中もいるだろう。
映画で表現するか、書籍で表現するか手法は様々だが、生きざまを見せることは必要。
ファンだけでなく未来の可能性に貴重な役割を果たす。

そんなことを感じた作品。
17日より公開されるので、機会があればご覧いただきたい。