今週、毎年依頼を頂く高校で保護者向けの講演を行う。
本書は新たなネタを提供するために読ませてもらった。
タイトルの内容が中心と思っていたが、中身の大半はサブタイトルにある方。
「部下との1on1の前に知ってほしいこと」だった。
そんな意味では著者の「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」の方が役に立ちそう。
僕も大学で教える立場や企業の採用支援で感じる面もあり、
本書も参考にしながら普段思っていることを伝えていきたい。
いずれにせよ今年も超売り手市場。
保護者の心配は尽きないと思うが、環境的には大卒も高卒も恵まれている。
恵まれているからこそ気をつけることを伝えなきゃいけない。
本書の第5章は「退職代行サービスを使う若者たち」。
会社に何も伝えず辞めていく若者の動向が描かれている。
2年ほど前は違和感を感じていたが、もやはひとつの方法として定着したと感じる。
会社が合わず辞めるのは致し方ない。
立場的にはそんなサービスを使わず、お互い誤解のないように話をしてほしいが、現実はそうでもない。
最近のニュースでも報じられることが増えた。
特に今年は4月入社で利用する新入社員が相当いるという。
確かに企業側はウソは言ってはいけない。
給与や休みが違うという数字面はもってのほかだが、
無意識に行うパワハラも今は許されることではない。
それが理由で退職代行サービスを利用するのは100歩譲って認めるが、その他はどうだろう。
誤解を恐れずにいえば幼稚さが残る面がないとはいえない。
人手不足や売り手市場がもたらしたマイナス面もある。
転職を否定するつもりはない。
自分の目指すキャリアがあれば突き進めばいい。
厳しい局面も乗り越える覚悟を持ちチャレンジすればいい。
残念ながらそうではない。
大した理由でもなく辞めるケースも多い。
面の皮が厚いオッサンとうぶな若者の差といえば身も蓋もないが、勿体ない面があるのも事実。
昨今、20代半ばの転職者を求めるケースは多い。
だが、ここは2種類に分けられる。
どこからも求められる人材とそうでない人材。
そうでない人材は20代前半で既に4~5社退職しているケースが多い。
いろんな事情はある。
それも否定しない。
ただ採用側からすればリスクと捉えるケースは未だ多い。
そこは注意しなきゃいけない。
僕の立場としてはそんな事実も保護者に伝える必要がある。
3年3割の離職はいつの時代も一緒なんだけど・・・。
本書には今もてはやされる1on1の弊害も書かれている。
目的ばかりが先に立ち、実態が追いついていない現実も・・・。
どんな時代も若者は難しい。
僕が若い時も昭和のオジサンたちは手を焼いていた。
平成で育った中堅が令和の若者に手を焼く。
まあ、順番なのかもね。
静かに退職する若者たちを嘆くだけでなく、迎合せず向き合っていきたいね。
なんとかなると思うから・・・。